ピーター・バラカンが語る、レコードの悦楽 「アナログは音が生きている」

ピーター・バラカンが語る、レコードの悦楽

 CDを凌駕し、今やメインストリームとなりつつあるデータ・ミュージック。 YouTubeに、Apple Musicなど、デジタル音楽の世界への入り口は多彩を極めている。その一方で人気が高まっているのがアナログ・レコードだ。音楽をじっくり楽しみたい、良い音を聴きたい...。そんな人たちにとって、アナログ・レコードは、羨望の音楽ソースとなっている。そんなアナログ・レコードの楽しみ方をピーター・バラカンさんに聞いてみた。(GoodsPress編集部)

アナログ・レコードはCDに比べ、音楽を丁寧に聴くことができる

 1980年代半ばに登場したCDはまさに時代の寵児だった。アナロ グ・レコードは隅に追いやられ、その後新たなデジタル・ミュージックが次々と登場する。スピーカーで聴いていた音楽は、いつしかヘッドホンで楽しむものとなってしまった。ところが、今、アナログ・レコードが改めて脚光を浴びている。それはアナログ・レコードをリアルタイムで聴いていない歳より若い世代が、アナログを新しい音楽ソースとして捉えているからかもしれない。そんなアナログ・レコードの大人の楽しみ方を、音楽を愛してやまないピーター・バラカンさんはこう語る。

「まず、アナログ。レコードというのは丁寧に扱いますよね。そうしないとレコード盤にホコリが付くし、傷だって付いてしまう。そして、そのように丁寧に扱うと、音楽も丁寧に聴くようになると思うんです。CDはポンとドライブに入れるだけで聴けるし、リモコンを使えば好みではない曲を、どんどん飛ばして聴ける。それでは聴き方が丁寧じゃない。さらにダウンロードした音楽データとなると、もうモノの形さえありませんからね。それではもっと音源をおろそかにしてしまう。わざわざレコードを買いに行って、盤をきれいにして、針を落とす。そんな行為をすることによって、ちゃんと音楽を聴けるだろうし、より深く音の世界に入っていけると思います」

自分が好きな音のある場所に 出掛けて行くことが重要だ!

 最近は、アナログ盤をいい音で聴くというイベントを行っているバラカンさん。装備のそろった場所で聴く音で、アナログ盤の素晴らしさに改めて驚かされているという。「CDやデータ音源と聴き比べると、アナログ盤は音の輪郭みたいなものがすごくはっきりする。奥深い音というのでしょうか。CDにそれがないわけではないけれど、アナログは音が生きているように感じられるんです。針が盤をこすっている様をダイレクトに感じられます」 では、家にも素晴らしい機材を用意しなければ、音楽を心から楽しめないのだろうか? (続きは、GoodsPress 10月号で)

(文/すぎもとまさひろ 写真/比留間 保裕 取材協力/Bar‌Music)

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■GoodsPress 10月号
発売日:2015年9月5日(土) 全国の書店、コンビニにて発売
発行元:株式会社 徳間書店
定価:本体 690円(税込)
判型:A4判(297mm×210mm)

【大特集】
あの1本が欲しい!思いのままに演奏したい!! 今からハマる、大人の楽器
〈ピックアップポイント〉
・野村義男が語る“思わず集めたくなる”ギターの魅力
・発売から25年。グレート義太夫が語る「ZO-3」の革新性
・Caravanが語る、ギターと旅のいい関係
・ダイノジ大地がチャレンジ! 「一五一会」は世界一簡単に弾ける?
・cero 荒内佑が試して断言。楽器演奏上達のカギは「リニアPCMレコーダー」
・DJ SEX山口が指南する、初めての皿回し
【第2特集】
レコードから、ハイレゾ、ストリーミングまで──。新しい音楽のカタチ
〈ピックアップポイント〉
・ピーター・バラカンさんに聞く、レコードの悦楽
・東洋化製のプレス工場に潜入! レコードづくりの現場から
・アナログLover 4人が語る、僕がレコードに固執する理由
・音楽を愛する4人が、定額制音楽配信サービスを徹底診断
・尾崎 豊のマスタリングを手掛けたエンジニアに聞くハイレゾ音源ができるまで

〈編集長より〉
 今年の夏はいくつか野外フェスに行きました。そこで感じたのは、日本のバンドが凄い! ということ。名前くらいしか知らなかったバンドの驚くようなライブをいくつも目にしました。ある音楽業界の方によると、今、いいバンドが増えており、かつてのバンドブームの時代や渋谷系の時代以上に充実してるとも言われているそうです。そう、世はバンドブームらしいのです。そして、かつてバンドブームの時代がそうであったように、様々なバンドがデビューしているだけでなく、趣味としてバンドを楽しむ人も増加中。ギターの売上は伸びており、楽器教室も盛況だとか。かつてのバンドブームと違うのは、若者だけでなく、大人たちにもそれが広がっていること。生活に少しゆとりが出て若い頃やっていたバンド活動を再び始めた...。10代の時にコード3つで挫折したギターを今度はちゃんと弾き始めた...。そんな話をよく耳にします。

今号のGoodsPressは、そんな大人たちをターゲットにした楽器特集です。

 交遊のある方ならご存知かもしれませんが、自分は自他ともに認める音好き。でも、いや、だからこそ楽器に手を出すのは隠居するまで止めておこうと思ってきました。楽器を弾くのが楽しくなってしまって仕事が手に付かなくなってしまいそうですから...。そんなふうに思っていた私ですら、今号を読んだら、ギターが欲しくなってしまっています。やっぱり楽器は楽しそうなのです。バンドを始めたとか、楽器をやろうと思ってる。そんな方だけでなく、音楽が好きだったとか、ちょっとした趣味を探してる...といった方にも読んでいただきたい楽器特集です。是非、ご一読を! ご意見ご感想もお待ちしております。
GoodsPress編集長 長谷部敦

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