ピーター・バラカンが語る、インターFM の音楽重視改革「僕らはリスナーのためにラジオを作る」

ピーター・バラカン
人気DJでありながら、インターFMの執行役員も務めるピーター・バラカン氏。

 ラジオ業界全体に広告売上の苦戦が続くなか、あえて(広告の売りにくい)音楽重視の編成を推し進めているインターFM。その核を担っているのは間違いなく昨年9月に執行役員となった人気DJ のピーター・バラカン氏だ。そこでリアルサウンドは当事者であるに彼にインタビューを試みることにした。インターFMについて、ラジオ業界全体について、そして音楽業界についてまで思いの丈を語ってくれたピーター・バラカン氏。今回と次回の2回に分けてインタビューの内容をお届けする。

――ピーターさんがインターFMの役員へと就任して1年3ヶ月が経ちました。現在はどのような業務に携わっているのでしょうか?

ピーター:今、私には編成全体をまとめる責任があります。DJとしては自分が選曲して話すという、これまでと同じ役割がありますが、それとは別にインターFM全体の編成をどうするべきかを考えるという重要な役割も担うようになりました。そこで僕はまず「リスナーを第一にする」という編成方針を掲げました。これまでいちリスナーとしてラジオを聴いていて、放送局がスポンサーの意向だったり自分たちの都合ばかり優先して番組を作っているのに気づいてしまい、何だかしらけてしまうということがたくさんあった。だからインターFMではそんなことをせずにリスナーが喜ぶ番組作り、コマーシャルにしてもパブリシティにしても違和感のない番組作りをしようと思った。だから編成に携わるようになってからは、みんなにそれを一番意識して欲しいと伝えました。

 あとは自分自身が長年DJをやっていて、僕は珍しく自由に選曲させてもらってきた。それがとてもありがたくて、他のDJにもそういった機会を与えたかった。だから選曲したいと思っている人には選曲の機会を与えるようにしました。そういう完全な自由主義が可能だったのは60年代後半、FMがまだできたばかりの時代のことです。僕はもう一度、そういう自由を再現したいと思ったんです。ディレクターが選曲してDJは台本を読むだけなんて、そんなのはできるだけやりたくない。だってリスナーとして聴いていたらそんなのすぐにわかるから。このDJ、曲に心が入っていないって。話し手の気持ちが入っていないものより「僕はこんな音楽が好きなんだ」っていうような、もっとリスナーの気持ちに引っかかる放送を作りたいと思ったんです。

――「リスナーを第一にする」というのは、他の放送局には難しいことなんでしょうか?

ピーター:やろうと思えばできることだと思う。だけど他の放送局は積極的にはやろうと思わないんでしょうね。基本的に日本は物事を送り手側の都合で発信する国。僕のいたイギリスと比べるとその違いがとてもよくわかります。「ユーザーフレンドリー」ということばがあるけど、日本のサービスに関していうと基本的に「上から目線」-送り手側の都合ばかり優先されている印象がすごく強くて、いちユーザーとして反発が強かった。なんでこっちのことをもっと考えてくれないのって。ラジオも同じなんです。だから僕はインターFMをそういうユーザーフレンドリーなラジオにしたかったんです。

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