DAOKO初ワンマン『DAOKO THE LIVE 2』レポート
DAOKOが初ワンマンで見せた、育った街=渋谷との繋がり 振り幅の広い新曲群も多数披露
DAOKOが、8月17日に東京・WWWにて初のワンマンライブ『DAOKO THE LIVE 2』を行った。
チケットが早々に売り切れとなった同公演。会場にはいまもなお“正体不明”の彼女を一目見ようと、多くの観客が訪れていた。冒頭、DAOKOはバンドメンバーとともに、透明な紗幕越しに見えるステージへ登場。早速メジャーデビューアルバム『DAOKO』のラストナンバーであり、無機質な打ち込み音とハードなギターが独特の温度感を生み出す、片寄明人(GREAT3)共作の「高い壁には幾千のドア」でライブは幕を開けた。
その後、DAOKOは「今日はスペシャルな仲間たちとめいっぱい楽しみたいと思いますのでよろしくお願いします」と挨拶し、小島英也(ORESAMA)と共作した「かけてあげる」を披露。スクリーンにはバンドを覆うように同曲の映像が投射され、ベースのグル―ヴィーなスラップベースが際立つバンド演奏と合わせ、楽曲の臨場感を高めていた。続けて同じく小島が共作で参加した、ギターのカッティングからスタートする3曲目「ぼく」では、マンガのコマ割り風のイラストがスクリーンに映し出され、<メジャーになった 何か変わったか エラーエラーエラー 狙って売れるなら苦労しないだろ?>という歌詞がより意味のあるものに見えた。
PARKGOLFと共作した、『DAOKO』内で最もポップといえる「ミュージック」では、DAOKOがネオンサイン風の映像に合わせ、キュートなウィスパーボイスで同曲を歌い上げた。MCでは、少し興奮気味に「初ワンマン、あったかいですね」と話すと、そのテンションをさらに加速させるように、性急なビートと弾きっぷりの良いカッティングギターが前に出る「一番星」を披露。DAOKOもそれに呼応するかのように、少し熱量のこもった声でラップを繰り出した。
と、ここでDAOKOは「気分を変えて、インディーズ時代の曲を初めてバンドでやります」と宣言。まずはオレンジ色に照らされたステージの上で「夕暮れパラレリズム」を振り付きで歌うと、続いて「ニルバーナ」を披露した。また、「BOY」では、スタンドからマイクを外し、情感たっぷりに歌いあげる姿が新鮮だった。
ここでDAOKOがステージを去ると、スクリーンには10月21日にシングル『ShibuyaK / さみしいかみさま』をリリースする旨や、アニメ「ME!ME!ME!」でDAOKOとコラボレートした吉崎響監督と「日本アニメ(ーター)見本市」で再びタッグを組むことを発表する内容が映し出された。その後、DAOKOはステージへ戻り、同アニメに起用された新曲「さみしいかみさま」と「ゆめみてたのあたし」を披露。DAOKOのレパートリー内ではダンス色強めのトラックが印象的な「さみしいかみさま」と、最小限の音数に乗せ、<みんなに出会えてよかった あたし、一人じゃないんだ>とポエトリーリーディングで歌う「ゆめみてたのあたし」という、毛色の違う2曲を歌い上げた。