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2ndアルバム『TWiLiGHT』インタビュー

UQiYOが語る、音楽を“体験”する意味「『ひとりの人に届けるパーソナルな音楽』を作る」

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Music Video “Twilight” | UQiYO ウキヨ

「音と出会う体験がすごく重要になってくる」(Yuqi)

――今の二人を形成している音楽は、それぞれどんなものでしょうか。

Yuqi:僕の場合は、北欧やノルウェー、ロンドンやフランスなどに行った経験があったり、90年代の音響系がバックボーンにあって、そこからは北欧の優しくて温かくてちょっと寂しいようなものへと流れ、今に至ります。具体的にアーティスト名を挙げると、Sigur RosやBon Iver、It’s A Musicalとかですかね。特にBon Iverなどの、アメリカ系の土臭さや激しさを持った、それでいて優しい音楽にはズキュンときますね。

Phantao:僕は高校くらいからずっとジャズしか聴いていなかったんですが、大学に入ったくらいから色んなバンドをやるようになって、最初にやったのはBrian Switzerのコピーバンドですね。その後はアシッド・ジャズにハマったりという経緯があって、全くロックを通ってないんですよ。バンドもそもそもロックが全然よくわからない状態で始めましたし、今だによくわかっていない。だけど、確認しながらやっているので、今のスタイルは何とか編み出したものという感じです(笑)。

Yuqi:面白いんですよね。ロックじゃないのに、ロックをやろうとしてる感じが逆に。

――今回のアルバムについては、あまりロックという意識では聴かなかったんですが、二人はロックバンドであるという意識はあるのでしょうか。

Yuqi:制作物ではそうでもないんですが、ライブをしているときにはロックっぽさは出ると思います。

――Phantaoさんは現行のジャズも聴くんですか?

Phantao:最近のものよりも古いもの中心です。大学時代にラテンジャズにのめりこんだ時代があって、その時は、ブラジルとかカリブ系のジャズピアニストを思いっきり聴きあさっていたんですけどね…。

――そんな音楽的教養のある二人が今回作った作品は、すごくポップで、開かれた良質な音楽です。どのようなリスナーに聴かれることを想定して作ったのでしょうか。

Yuqi:最終的にこうなっちゃった、みたいな感じが強いですね。というのも、僕らはこの二年間かけていろいろなプロジェクトに関わっており、「どういうアプローチで音楽を作っていくが面白いのか」ということは考えていたんです。その結果、「これで稼いで金持ちになってやるぞ」というものを幸せの着地点にすると、おそらく不幸せになるんじゃないかなと思って。どういうところへ行こうかと考えた時に、音楽業界と深くは関わっていないけど、面白いものを作っているクリエイターが沢山いることは知っていたので、その人たちに知ってもらうために、レコードレーベルではなく、デザインスタジオやコワーキングスペースにデモ音源を送っていました。その中から何人か反応があり、一緒に映像作品を作ったことから様々なクリエイターと関わることになりました。

――そこからUQiYOの特徴でもある、ボトルシップに入れた楽曲やバレンタインソングなどの「一味違った音楽の届け方」が生まれていくわけですね。

Yuqi:音楽という枠に囚われず、何をやるかから考えて、それをやるために最終的に音に落とし込めればいいという考え方になってきたんでしょうね。例えば、今挙げてもらったバレンタインソングは、二ヶ月間かけて、毎週金曜日に男の子の歌と女の子の歌をアップしていって、バレンタイン当日に二つの歌を組みあわせると、一つの楽曲になるというものです。それをきっかけに注目していただいたこともあり、様々なコラボを続けながら曲を作っていって、最終的にできたアルバムの曲がポップになっていたというような感覚なんですよね。

――現在のように届け方を工夫している背景とは?

Yuqi:例えば、今海外でリスニングスタイルのメインになりつつあるSpotifyというものがありますよね。このツールが登場したことにより、全体の4%くらいしかいないメジャーの人だけが、音楽業界における90%ほどの利益を得ている状況になりえるわけです。もしかしたら日本も近いうちにそうなるかもしれない。そうなってくるのであれば、音と出会う体験がすごく重要になってくる気がするんです。もちろん、Spotifyは便利なツールですが、世界では「便利じゃない方がいいものって世の中いっぱいあるよね」という考え方が徐々に広まってきているし、音楽も大量生産大量消費ではなく、一人一人が自分たちにとって“パーソナルな体験としての音楽”を聴くだけではなく経験として受容するというのが、あり方として自然なんですよね。「ポップミュージック」という言葉は、英語で「ポピュラー」、つまり大衆という意味合いになってくるわけですが、近年の音楽は大衆というより公衆のものになりつつあります。公衆って基本的にはお金払わないことが多いじゃないですか。公衆トイレが分かりやすい例だと思うんですけど、音楽もそういう感覚になっているのかもしれない。

――音楽が公共=パブリックなものになりつつあると。

Yuqi:そうなると、ユーザーはお金を払う感覚がなくなってくると思いますし、現に罪の意識も持たずに「ダウンロードすればいいんじゃないの?」という若者も多い。僕らはそんな中で、「ひとりの人に届けるパーソナルな音楽」であるべきなのかなって思いました。だって、みんなそれぞれ、個人的なストライクゾーンに入ってきた音や作品は、全く躊躇せずにお金を払う気がしていて。たとえばジブリ映画。彼らの作品は興行収入も良いため、ポップだと思う方も多いですが、実際はすごくパーソナルな映画だと思うんですよ。宮崎駿の個人的な趣味趣向や哲学が盛り込まれまくっているものの、トータルクオリティーで全部持って行く感じも含めて。ただ、彼らの映画って、見る人見る人で感想は全然違うし。それぞれの人がパーソナルな感想を抱いているわけです。

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