UQiYOが体現する、新しいポップミュージックとは? 二人の論客がサウンドと活動スタイルを分析
新鋭音楽ユニットのUQiYOが、3月18日に2ndアルバム『TWiLiGHT』をリリースする。
UQiYOはシカゴ育ちのYuqi(ボーカル・ギター・ピアノ&ループプログラミング・ミックス&マスタリング)と、幼少期からジャズピアニストとしての経験を積んできたPhantao(ピアノ・キーボード)からなるユニット。2013年5月にリリースした1stアルバム『UQiYO』では、浮遊感のあるベッドルームミュージックで多くのファンを獲得したが、最新作『TWiLiGHT』ではそのきめ細かな音作りはそのままに、開放感のあるエレクトロミュージックへと変化した。また、UQiYOは今作よりオフィスオーガスタが新たに立ち上げるインディーズ・レーベル<FORE RECORDS>から、いよいよ表舞台へ打って出ることとなる。
同ユニットの音楽的魅力については、音楽ジャーナリストの柴那典氏は“ノルウェーのアーティストに近い音像”だと語る。
「UQiYOの音楽性を語る上で北欧のアーティストが比較対象に上がることも多いですが、彼らはキャッチーで可愛いポップソングを多数生み出しているスウェーデンよりも、音響系のアーティストを数多く輩出しているノルウェーの音楽に近いように思います。ノルウェーの音楽シーンでは近年、ロイクソップやトッド・テリエが代表的なアーティストとして挙げられており、どちらもドリーミーでカラフルな音像と、ミニマルなダンスサウンドが特徴的です。もともと海外に住んでおり、旅行などを通して世界中の音楽を見てきたYuqiさんが楽曲を手掛けるUQiYOは恐らくその影響を独自に消化し、その空気感をうまく楽曲に反映させています」
続けて同氏は、UQiYOが今作で見せた親しみやすいポップさについてこう続ける。
「メロディに関しては、日本らしい情緒を感じさせるものに仕上げており、海外の音楽をそのまま持ってきたわけではないということが一聴してわかるのも彼らの魅力です。海外の音楽シーンに敏感であり、ノルウェーの音楽と通ずるサウンドテクスチャと英詞を使いつつも、上手くハイブリッドな形に落とし込んでいます」