リベリオン、ヒスパニ、クリスタル・レイク……ラウドシーンに変化をもたらす次世代バンドたち

20140301-acrowdrebellionth_.jpg
a crowd of rebellion『The Crow(初回限定盤)』(ワーナーミュージック・ジャパン)

 2000年代前半から日本の音楽シーンに浸透してきたラウドロック。ハードコアやヘヴィメタルからの影響を消化しつつ、日本独自に発展してきたジャンルだ。マキシマム ザ ホルモンやPay money to my painを筆頭に興隆してきた同ジャンルは、coldrainやSiMといった人気バンドが、自らイベントを主催するほど盛り上がりをみせる。そしてシーンでは現在、若手バンドが着実に実力を培い、人気を集めてきている。シャウトやデスボイスはもちろんのこと、そこに電子音やハイトーンのボイスが加わるなど、独自のサウンドでライブでのフロアのノリにも変化が生まれているのだ。

 2010年から開催され、早くから新人ロックバンドをフックアップし続けているライブイベントREDLINEと、大手CDショップチェーン店TOWER RECORDSによる全国ツアー『REDLINE RIOT TOUR』が先日開催された。同イベントには、シーンの活性化と次世代を作ることが見込まれたSURVIVE SAID THE PROPHET、NOISEMAKER、wrong city、Crystal Lakeの四組が集まった。中でもCrystal Lakeは去年幕張メッセで行われた『KNOTFEST JAPAN2014』のオープニングアクトにも選ばれ、3月から始まる『MONSTER ENERGY OUTBURN TOUR』にもFACTとともにヘッドライナーが決まっている注目株だ。ボーカルのRyoの細い身体からでる図太い声は、重厚な楽曲と合わさり熱いライブパフォーマンスを生む。また、キャッチ—なリズムに合わせてフロアにできる大きなピットには、ファンが本気でぶつかっていく様子が見られる。

 このように、今注目を集めているラウドロックバンドは、ライブハウスにとどまらず、様々なフェスティバルやイベント、ツアーでも活躍の場を拡げている。年末の風物詩『COUNTDOWN JAPAN』最終日の31日には、a crowd of rebellionやヒステリックパニックといった話題性のあるバンドが出ていた。

 a crowd of rebellionは5人で結成した新潟のバンドだ。地元愛がある彼らは、自らの音楽性を“コシヒカリーモ”と称している。このバンドの特徴はハイトーンボイスによるメロディセンスだろう。宮田によるデスボイスは激しい振動をリスナーに与える一方、ふいに裏声へと転じて、小林の女性的で繊細な声へと繋がれる。演奏面でも、ダンスミュージック的なリズムからハードコア的な重圧音へと、多様な変化をみせる。

 ヒステリックパニックは名古屋発の5人組で、ついつい笑ってしまうようなユニークさを持つバンドだ。ヒスパニという愛称で呼ばれる彼らの音楽では、ハイトーンの声とデスボイスが混じり、耳に残るリズムとフレーズで短期間のうちに確実な人気を集めてきた。ライブでは、フロアを含めてカオスな空間を作り上げる。ラウドシーンは主に英詞のバンドばかりであるが、日本語の歌詞を変則的なリズムにうまく当てはめ、ラップ調な部分も魅力の一部となっている。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる