タイムリミットまで2年、スガ シカオはどこに向かうのか? 新曲『モノラルセカイ』から読み解く

 シングル「赤い実」(2013年)のリミックスをDJ STARSCREAMことスリップノットのシド・ウィルソンが手掛けたり、ボーカロイドとの弾き語りジャムセッションを始めたり、インディーズ期には様々なジャンルやフィールドへの興味と実験を形にしていた彼。一方、「LIFE」では小林武史をプロデュースに迎え、ポップスの王道としての壮大なバラードを形にしていた。

スガ シカオ - LIFE (Short ver.)

 こうして見ると、事務所やレーベルからの独立とメジャーレーベルへの復帰が、単なる移籍や活動形態の変化だけでなく、彼の音楽の内実に大きな影響をあたえるほどの挑戦だったことがわかるだろう。

 これまでも、スガ シカオは、そうやって一つ一つの課題や目標を設定し、そのハードルを超えることで音楽的な進化を果たしてきたミュージシャンだった。セールス的な成功を果たし、10周年という節目の年を迎えた後も、『FUNKAHOLiC』(2008年)『FUNKASTiC』(2010年)と、日本のポップシーンのメインストリームで本格的なファンクを鳴らすという挑戦を形にし、ロンドン公演を行うなど海外進出へのチャレンジも繰り広げてきた。

 つまり、これまでも未来にむけて数々の布石を打つような音楽活動を行ってきたミュージシャンである彼が、「50歳」というタイムリミットがいよいよ目前となってきた今、「モノラルセカイ」という新曲をリリースし「Next Round Tour 2014」というツアーを行うということなのである。

 おそらく、彼の音楽の核心が、ここから紐解かれていくはずだ。期待してやまない。

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」Twitter

■リリース情報
『モノラルセカイ』
配信日:10月22日(水)
iTunes https://itunes.apple.com/jp/album/monaural-sekai-single/id926645577
レコチョク http://recochoku.jp/artist/2000003762/

■ライブ情報
「Next Round Tour 2014」
11月4日(火) 愛知 Zepp Nagoya
11月7日(金) 北海道 Zepp Sapporo
11月14日(金) 福岡 Zepp Fukuoka
11月17日(月) 石川 金沢EIGHT HALL
11月18日(火) 大阪 堂島リバーフォーラム
11月20日(木) 宮城 仙台Rensa
11月22日(土) 東京 TOKYO DOME CITY HALL

■オフィシャルHP
http://www.sugashikao.jp/  

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