音楽聴き放題サービスは作り手にとって有益か 世界のミュージシャンが議論続行中
同じようなことをミュージシャンのベックも指摘している。以下、アルゼンチンの新聞「Pagina 12」のインタビューにおけるベックの発言。「多くのミュージシャンが音楽ビジネスの世界から遠ざけられている。今僕らはビジネスマンによって作られてビジネスの中で生きているんだ。もしミュージシャンにやり方を委ねてもらえたら、全然違う世界になっていたんじゃないかな」。
一方で音楽聴き放題ストリーミングサービスに対して好意的な姿勢をみせるミュージシャンも多い。マルーン5は「Payphone」リリースの際Spotifyで音声&バナー広告を使ってマルーン 5の全曲プレイリストを集中的に宣伝したところシングルチャート1位を獲得。Spotifyを集客エンジンとして活用することで、にわかファンをコアファンに変えることに成功した。また、イマジン・ドラゴンズのボーカリスト、ダン・レイノルズはSpotifyを活用することで、ライブ集客や物販の売り上げが増えたと証言している。
以上のようにミュージシャン間でも聴き放題ストリーミングサービスへの評価は分かれている。しかし サービスがここまで広まってしまった以上、ミュージシャン各人がその波に逆らうことは難しいだろう。新たに設計されたビジネスモデルの中で、あるいはそれを活用することで、いかにマネタイズしていくか。音楽ビジネス過渡期の中でミュージシャンには新たな難題がつきつけられている。