スマートロボット掃除機が変えた生活と“乗り越えてほしい”ハードル SwitchBot『K10+Pro Combo』レビュー

SwitchBot『K10+Pro Combo』レビュー

ケーブルやタオルでスタック 床の整頓は必須かも?

 一方で何らかの理由でスタックしてしまう状況はあまり変わっていないようにも感じた。特に筆者の自宅ではケーブル類にひっかかり、運転停止してしまうことが何度もあった。我が家ではベッド脇の床にiPhoneとiPad用の充電ケーブルが刺さった電源タップが置いてあり、さらにそこから照明器具のコードも伸びている。そのままロボット掃除機を稼働させると必ずといって良いほどここのケーブルに足を取られた。

清掃中、ケーブルに足を取られながらベッドの脚にひっかかり身動きが取れなくなってしまった

 そうなると、掃除を始める前にケーブル類をうまくよけておく作業が必要となる。掃除は外出先からでもワンタッチで操作できるだけに、この作業がとても面倒に感じた。実際に導入するならば、オーガナイザーなどを使ったケーブル類の整頓は必須だ。

 筆者宅にはラグを敷いていないのでそこまでは検証できなかったが、(脱衣所がない都合で)廊下に敷いてあるバスマットを巻き込んで動けなくなることや、玄関の土間に脱輪したりといったこともあった。ちなみにスタック状態に陥ると、アプリを通じて知らせてくれる。

 とはいえ、先ほどの「侵入禁止エリア」や「バーチャルウォール」とエリアの使い分けをうまく活用することでこういったトラブルはある程度防ぐことは可能だろう。

 また当然だが下の写真のようなロボットが入り込めない隙間の掃除はできない。

 仕方の無いことではあるが、なんとなく「ロボット掃除機が掃除しやすいように家具をずらしておこう」という変な気遣いが発生してしまう。たまの掃除のタイミングであれば特に問題ないのだが、自分が不在のタイミングに毎日でも掃除しておいてもらいたい、という使い方との相性はそれほどよくないと感じた。こういったシーンでは後述のスティック掃除機でフォローしてやるのが良いだろう。

水拭きにもしっかり対応

 『K10+ Pro』は水拭きにも対応している。『SwitchBot』の広報によれば、土足文化である中国のメーカーでは一般的な機能だということだが、日本でも水拭きをするとしないとでは部屋の清潔感が大きく変わるのは言うまでもない。

 裏面のゴム製ブラシを専用のパネルに取り替えると、使い捨ての水拭きシートを取り付けできるようになっている。パネルの取り替えも検知し、本体も「水拭きモード」に自動で切り替わる。水拭きモードでは吸引を行わないので非常に静かに掃除ができる。しかしこの水拭きシートがなかなかうまく固定できず、清掃中にはずれてしまうことも多かった。

かゆいところに手が届く 掃除の仕上げはコードレス掃除機で

 そして今回レビューした『K10+Pro Combo』はロボット掃除機だけでなく、コードレス掃除機(スティッククリーナー)もセットになっている。

 重量は1.17kgとかなり軽いが、持ち手に凹凸がない影響か「ものすごく軽い」という印象は受けなかったのが正直なところだ。しかしヘッドに搭載されたグリーンライトは床のホコリの視認性を爆発的に上げるので、ロボット掃除機で掃除しきれなかった場所や細かなホコリなどを完璧に処理する、といった使い分けができる。

 またロボット掃除機と同様、掃除を終えたあとデュアル集塵ステーションにセットすると自動でゴミを吸い上げてくれるのはやはりうれしい。

 ちなみにデュアル集塵ステーションは一見コンパクトにまとまっている、という印象だったが、実際に測ってみるとコードレス掃除機をセットした状態の高さで130cm程度。奥行きはロボット掃除機を入れて約50cmとそれなりのスペースが必要だ。幅は30cmもあればたりるが、高さと奥行きを含めると間取りによっては置き場所が限定されるだろう。

 ロボット掃除機とコードレス掃除機の二種類を別々に設置するよりかは省スペースなので、更なる小型化にも期待したいところだ。

ロボット掃除機に合わせた生活もまた一興

 約2週間使ってみて感じたのは、家具の配置やケーブルの整理など、「ロボット掃除機のための部屋づくり」を意識せざるを得なくなるのは否めないということ。

 しかし、超小型ボディや自動集塵機能など、特筆すべき点は多く、「部屋を常に清潔に保つ」という目的においては、高い成果を上げてくれる。本商品を導入するのであれば、いっそロボット掃除機にライフスタイルを委ねてしまうのもいいだろう。

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