スマートロボット掃除機が変えた生活と“乗り越えてほしい”ハードル SwitchBot『K10+Pro Combo』レビュー

AIや高性能なロボットが少しずつ浸透しつつある現代。人の生活と共にある“ロボット”の古参といえば、それは意外にもロボット掃除機ではないだろうか。
今回、スマート家電メーカー・SwitchBotの、ロボット掃除機、ワイヤレス掃除機、デュアル集塵ステーションが一体となった『SwitchBot ロボット掃除機 K10+Pro Combo』をお借りし、約2週間、自宅で使用させていただいたのでレビューしていきたい。
そもそも筆者は、ロボット掃除機とは15年~20年ぶりに近い再会だった。
学生時代、新しいもの好きな母がアイロボット社の『ルンバ』を購入したことがあった。2000年代~2010年代にかけての頃だったと思う。「自宅にロボットが来る」というだけで家族揃ってワクワクしたし、懸命に動き回る健気な姿に胸を打たれたりもした。しかし彼(ルンバ)の仕事に家族が満足した記憶はない。段差では車輪を踏み外しスタック。テーブルだか椅子だかの足に乗り上げスタック。その都度人間の手によるリセットが必要だった。なにより肝心の清掃能力もイマイチ。鈍臭いルンバに向かって我が家のトイプードルはよく吠えた。
とにかくネガティブなイメージが強かったので、ロボット掃除機にはあまり期待していなかったが、結論を言えば、思っていたよりもずっと良かった。
出かけるついでにアプリで掃除
筆者の自宅は28平方メートルのワンルームだ。普通に掃除機をかけようと思えば10分もかからないため、「自分が楽をする」という観点で、自動化のメリットを想像できなかった。しかし、使っていくうちに「常に掃除機をかけた状態を維持できる」という点で、非常に有用だとわかった。
使用シーンは主に出かけるタイミングだ。自宅を出ると同時に専用のアプリから清掃をスタートさせることで、出かけている間に部屋をきれいにしてもらうことができた。ロボット掃除機の直径は24.8cmと、超小型と言って差し支えないサイズ感だ。スツールの間など狭い場所でもスルスルと入って行ける。

基本操作はすべてアプリ上でおこなう。清掃、停止、再充電が基本の動作。たとえば毎日決まった時間に動かしたいなら、「オートメーション」のタブからタイマーの設定もできる。
毎日ロボット掃除機が稼働することで、ホコリの塊や髪の毛はほとんど目にすることがなくなった。十分な吸引力を発揮していたことがわかる。さらに部屋がきれいだと、それを維持しようという心理が働く。毎日掃除機をかけるのは少しハードルが高いけれど、出かけるたびにアプリを操作するだけならなんてことない。「スマート家電化」はロボット掃除機にとって最も大きな進歩だ。
初回起動時には部屋のスキャンから始まる。ロボット掃除機が部屋の中をスキャンして回ることで、アプリ上に部屋のマップが展開される。マップ上ではA、B、C……とエリアが設定がされる。「今回の掃除はAエリアだけ」「今はCのエリアに洗濯物を放置しているので、C以外を清掃する」なんて使い分けができるのもうれしいポイント。エリアはアプリ上で自由に編集可能だ。またマップ上では「進入禁止エリア」や「バーチャルウォール」も個別に設定できる。

部屋の清掃が終わると、「デュアル集塵ステーション」へ帰還。同時に掃除機本体内のゴミがステーションへ自動で吸い上げられていくではないか。いちいち自分でゴミを捨てる必要がなくとても便利だ。ステーション内の集塵パックは約70日に1回の交換が目安だ。