廃墟DIY動画はなぜ人気? 荒れ果てた庭や築200年の家が視聴者を魅了する理由を紐解く

 YouTubeでは以前から、古民家DIY動画が人気のコンテンツに数えられているが、最近はとくに“廃墟”のDIYに注目が集まっている。しかしなぜ、視聴者は廃墟リノベーションに心惹かれるのか。今回は人気動画から、廃墟DIYの見どころと魅力を紐解いてみたい。

 「そうだ、お家をつくろう【クメマリchannel】」(チャンネル登録者数22.5万人)は以前、築53年の古民家をセルフリノベーションし、多くの視聴者を驚かせた動画クリエイター。そんなクメマリが「Season 2」として、新たな古民家の再生に乗り出した。

人生最後の決断、築83年問題山積み廃墟探検ルームツアーが壮絶すぎて気絶…

 2025年3月19日に投稿された動画では、築83年の“廃墟”を購入したことを報告。この廃墟と化した一軒家はクメマリの自宅に隣接する庭付きの平屋で、敷地面積は900平米。数年にわたり空き家になっていたこの家を購入することにしたきっかけは、“自然の脅威”だったと述べている。動画にはトゲ植物やつる草、木が平屋を隠すかのように生い茂る荒れ果てた庭が写されており、その様子はまさに廃墟。自宅のフェンスがトゲ植物に押し倒されるという被害に悩まされていたことも明かしている。さらに廃墟には大量のスズメバチが住みついており、襲われることが多々あった模様。そんなこんなで「この荒れた土地と家をこの手で生き返らせてみよう」と、ある種の使命感に駆られたクメマリは、とうとうこの廃墟を購入することに至ったというのだ。

 以前、93歳のお婆さんが暮らしていたこの平家には上下水道がなく、井戸が生命線。ルームツアーではこの井戸をはじめ、雪見障子や木製の窓といった美しい建具、汲み取り式のトイレ、黒電話、ビクター社製のエアコンなど貴重なモノが次々と登場し、時代の流れを大いに感じられる。この家は荒れた庭をみるとたしかに廃墟だが、家自体は傷みがひどいものの不思議と廃墟感はなく、むしろ綺麗とさえ感じられる。お婆さんが丁寧に住んでいたことを感じたクメマリは、「荒れた土地や家をゴミとせず、良い方向へと循環させてみたい」と、これからはじまるDIYを前に思いを語ったのだった。

【0からDIY】これから再生する廃墟を公開‼︎【1日目】【築200年】

 廃墟といえば、「0から始める廃墟生活」(チャンネル登録者数15.4万人)もまた、廃墟化してしまった古民家の再生に取り組んでいる。このチャンネルを運営するのは、DIY素人の兄弟と従兄弟。104歳まで生きた曽祖母が生まれ育った古民家を宿にリノベーションし、今年4月にオープンすることが決まっているという。

 彼らがリノベーションする家は築200年、庭の広さ約313坪、テニスコート約5面分という広大な土地。2021年10月に投稿された1本目の動画では、土壁が崩れ、汚れがひどい屋内の様子とともに、かまどや囲炉裏、蚕を飼っていたという2階などを紹介しており、家の歴史を感じるシーンが印象的だ。そして宿のオープンが間近に迫った3月19日に投稿した動画では、宿への思いに言及。家が建てられた200年前、江戸時代後期にあたる当時の梁を古民家宿にも使用したことに触れると、時代を繋ぐ「奇跡の梁」に、「よく残せた」と感動を口にしている。そして庭で家を見下ろしていた大きな檜は伐採後、宿のテーブルやカウンターへと生まれ変わったことを報告。廃墟で見つかった新聞などを宿に飾る方向であることも明かし、オープンへの期待を膨らませている。

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