シャオミは日本市場に超本気! スマホ、テレビ、ロボット掃除機など7つの新製品を一挙発表

シャオミ、7つの新製品を一挙発表

 スマホメーカーとして知られるXiaomi(シャオミ)が、日本向けに7つの新製品を発表した。スマホ、タブレット、スマートバンド、スマートテレビ、ロボット掃除機と、その内容は実に豊作だ。日本におけるシャオミの発表会は4年ぶりとなる。

 筆者は「シャオミといえばお手頃価格のスマホやウェアラブルデバイスが得意」というイメージを持っていた。もちろんハイエンド向けの製品も手掛けているが、これからのシャオミはさらに攻めの姿勢に出るようだ。

シャオミの考えを説明できていなかったが、これからは違う

 新たにシャオミ・ジャパンの取締役社長に就任した大沼彰氏は、「Inovation for everyone(誰もがテクノロジーを利用できるように)」という考えがシャオミのスタンスであると語った。また、シャオミの考えをユーザーに届ける機会があまりなかったが、今後は違うとも語る。

 その姿勢を体現する一例として、2018年よりハードウェア事業の純利益率が年間5%を超えないようグローバル全体で調整していると明かした。利益を研究費などに投資することで、ユーザーに還元しているわかりやすい例といえるだろう。

 さらに、全世界で6億5450万台以上のIoT製品が繋がっており、スマートデバイスに関しては世界を大きくリードしていると語る。シャオミ=スマホメーカーと思っていた筆者にとって、この事実はシャオミの印象を大きく変えるものだった。

 シャオミといえばお手頃スマホメーカーという印象は、これからは日本においても変わっていくかもしれない。その証左ともいえる、意欲的な7つの新製品を紹介していこう。

手首だけに留まらない使い方を提案するスマートバンド

 『Xiaomi Smart Band 8』は、シャオミが得意とするお手頃なスマートバンドの最新モデルだ。基本性能はそのままに、16日間のバッテリー、画面リフレッシュレート60Hz、1時間の急速充電対応など、さらに使いやすいモデルへと仕上がった。

 新たにメタル素材やレザー素材のバンドも新たに登場した。スマートバンドといえばカジュアルさやスポーティさが目立ちがちだが、メタルのバンドはかなりラグジュアリーな印象だ。ファッション的にも楽しめるだろう。

 ユニークな機能として、バンドを取り外してシューズに装着することで、ジョギング時のトラッキングガジェットとしても利用ができる。さらにネックレスのように使うこともでき、スマートバンド=手首に着けるものといった固定観念を大きく変えてくれそうだ。

 『Xiaomi Smart Band 8』の価格は5,990円。Smart Bandシリーズでは日本ではもっとも売れているモデルのようで、今回のモデルもさらに人気になりそうだ。

高級感を備えた、ちょい上のエントリーモデル

 シャオミのサブブランドである「Redmi」からは、エントリー向けのスマホ『Redmi 12 5G』が登場した。キャッチコピーは「機能も、見た目も、ちょい上スマホ」。

 約6.8インチの大画面と最大リフレッシュレート90Hzの滑らかな画面表示を特徴とし、SoCにはSnapdragon 4 Gen 2を採用。このSoCはミドルクラス向けのものだが、あえてエントリーモデルに採用した。

 背面には高級感があるガラス素材を採用しつつも、本体は軽量で持ちやすい。バッテリーは大容量の5,000mAhを搭載した。また、おサイフケータイにも対応している。

 『Redmi 12 5G』は、2023年10月6日よりauおよびUQモバイルで取り扱いが始まる。オープンマーケット版は10月19日よりMVNOなどで取り扱いがスタートし、市場想定価格は2万9800円程度とのこと。

思い立ったらすぐ充電。爆速の充電速度をもったハイエンドモデル

 ハイエンド向けのスマホとして『Xiaomi 13T Pro』および『Xiaomi 13T』が発表された。Tと名の付いたモデルはシャオミのフラッグシップラインとなるが、日本では今モデルが3代目となる。

 約5000万画素のメインカメラには7枚ものレンズを贅沢に使用し、逆光や不要紫外線、グレアなどをしっかり抑制。光学式手ぶれ補正も搭載し、暗い夜景も美しく撮影できる。

 カラバリの1つであるアルパインブルーは、ヴィーガンレザーを採用。環境負荷を抑えつつも、独特の柔らかな手触りを実現した。

 他カラーのブラックとメドウグリーンはガラス素材を採用している。こちらも高級感があり、手に馴染む持ち心地だ。

 『Xiaomi 13T Pro』はDimensity 9200+を、『Xiaomi 13T』はMediaTekのDimensity 8200-Ultraを採用しており、処理性能に違いがある。バッテリーはどちらも5,000mAhの大容量だが、急速充電の速度は前者が15分で50%まで、後者のProがは19分で100%の充電が可能だ。

 『Xiaomi 13T』はauおよびUQモバイルにて、『Xiaomi 13T Pro』は、MNOとしてはソフトバンクの独占販売にて、どちらも12月上旬以降から取扱開始予定。『Xiaomi 13T Pro』はオープンマーケット版の販売も予定している。

大画面タブレットを手頃な価格で

 11インチのAndroidタブレット『Xiaomi Pad SE』も登場する。今年7月には『Xiaomi Pad 6』が発表されたが、さらにコスパを求める人に向けたお手頃価格のタブレットだ。

 最大90Hzの滑らかなリフレッシュレートや、Dolby Atmos®対応のクアッドステレオスピーカーなど、廉価モデルながらエンタメを満喫できる要素を搭載。バッテリーは8,000mAhの大容量で、数日充電しなくても全く問題無いレベルだ。SoCには6nmのSnapdragon 680を採用している。

 価格は、メモリ4GBのストレージ128GBモデルが2万1800円、メモリ6GBモデルのストレージ128GBモデルが2万9800円。

チューナーレスだから使いやすい、お手頃テレビ

 更にスマートテレビも発表された。Google TVを内蔵した『Xiaomi TV A Pro』が、32インチ、43インチ、55インチ、65インチの4モデル登場する。32インチのみHD解像度で、他のモデルは4K解像度だ。

 アンテナを繋がないチューナーレス仕様で、地上波を見ない人にとってはかなり嬉しい選択肢になるだろう。Chromecast™を内蔵しており、テレビだけでYouTubeやNetflixなどを視聴できる。

 リモコンも極めてシンプル。私室のセカンドテレビに、一人暮らしのお値打ちテレビにと、様々なシチュエーションにハマりそうだ。

 『Xiaomi TV A Pro』は2023年10月中旬以降、auにて独占販売される。価格は32インチが3万2780円、43インチが5万4780円、55インチが7万6780円、65インチが10万9780円。

この価格でレーザーも水拭きも搭載するとは!

 最後は、シャオミにとって日本向けで初となるロボット掃除機『Xiaomi ロボット掃除機 S10』を紹介しよう。こちらは価格が2万4800円。

 価格の手頃さに目が行きがちだが、LDSレーザーナビゲーションや水拭き機能も搭載している。正直、この価格帯でこれらの機能を備えているモデルを筆者は知らない。吸引力も4,000Paと申し分ない。

 本製品はすでに中国国内にて発売されているが、製品の担当者によると「日本はソフトに対する要求が他国より高いため、アプリを全面的に見直しました。言語設定はもちろん、AlexaやGoogle Homeとも連携するよう設計しました」(新事業部開発部マネージャー)とのこと。

 この価格であれば、初めてのロボット掃除機としても、あるいは2階で使う2代目のロボット掃除機としても導入しやすいだろう。個人的にはシンプル&コンパクトなデザインも気に入っている。

シャオミは、手に取りやすいガジェットづくりのプロ

 グローバルにおいて、シャオミのスマホは第3位のシェアを占めており、グローバルでのスマートテレビ総出荷台数では第5位のシェアを占めているとのこと。まさに、シャオミはIoTのプロなのだ。

 だが、日本においての知名度は、やはりスマホやスマートバンド、あるいはワイヤレスイヤホンが中心ではないだろうか。今回はスマートテレビやロボット掃除機などが発表されたが、これらの効果でシャオミはライフスタイルに寄り添うIoTメーカーという印象に変わっていくかもしれない。文字通り、スマートな暮らしを身近なものにしてくれるはずだ。

参考情報

https://www.mi.com/jp/

日本での発売が待ち遠しいほど、デザインも性能も光るシャオミのライカスマホ『Xiaomi 13 Ultra』を体験してみた

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