マクドナルド&星街すいせいに初音ミクのVRライブも ビッグネームによる活用が進む『VRChat』

ビッグネームによる活用が進む『VRChat』

マクドナルドと星街すいせいが『VRChat』に上陸

 マクドナルドが『VRChat』にやってきた。さらに、ホロライブの星街すいせいが『VRChat』で配信をした――さすがに、昨年末にこんなことは予想できなかった。それも、3月までにやってくるとは。

 ティロリミックス|Ado×YOASOBI×星街すいせい

 発端はマクドナルドによる音楽企画「ティロリミックス」だ。著名なアーティスト楽曲と、マクドナルドでフライドポテトが揚がる際の効果音をマッシュアップし、新たな曲を作るコラボ企画である。今年もこの企画が実施され、Ado「夜のピエロ」、YOASOBI「夜に駆ける」、星街すいせい「ビビデバ」の3曲が選出。MVつきで3月18日に発表された。

 さらに同日、マクドナルド初となる公式の『VRChat』ワールド「バーチャルティロリワールド」が公開された。6月17日までの期間限定公開となる。

 ワールド内では今回発表のMVが常時再生されているほか、食べられるフライドポテトのギミック、そしてMVに出演している星街すいせいのスタンディングボードなどが設置。体験と自撮りを意識したプロモーションワールドとなっている。制作には『VRChat』方面の実績が豊富な株式会社往来が関わっているようだ。

【マクドナルド】#ティロリミックス 同時視聴しながらバーチャルポテト食べる!【VRChat】

 MV公開日の3月18日には、このワールドで星街すいせいがMV同時視聴配信をおこなった。『VRChat』現地からワールドを紹介し、解禁タイミングでMVを視聴するシンプルな内容だったが、さすがは2024年にスターダムを駆け上がった逸材だけあり、多くの視聴者が集まっていた。「著名人の『VRChat』訪問」の流れが、ひとつの到達点を迎えたような感触だ。星街すいせい本人も『VRChat』には関心を示しているようで、今後もなにか起こるかもしれないと感じる一幕だった。

13,000超の同時接続を記録 沖縄色の初音ミク『VRChat』ライブが大好評

【#OKIVFES】OKINAWA BEAT SQUALL for Hatsune Miku

 音楽方面ではもう一つ、大きな出来事があった。沖縄をフィーチャーしたVRイベント『OKINAWA JAPAN VIRTUAL FES 2025』内のコンテンツ『OKINAWA BEAT SQUALL for Hatsune Miku』の同時接続数が大台に乗ったのだ。

 『OKINAWA BEAT SQUALL for Hatsune Miku』は、しぐれういがキャラクターデザインを担当した、沖縄伝統装束をモチーフにした衣装の初音ミクが出演するVRライブ。筆者も実際にライブを目にしたが、3Dモデルはもちろん、動きよし、演出よし、物量よしと、バランスもよい高水準のコンテンツに仕上がっていた。しかも、会期中に全5回、無料で観覧できる太っ腹なコンテンツである。

 評判は瞬く間に伝播し、3月19日には9000超、3月23日には13,000人超えの同時接続数を『VRChat』内だけで叩き出した。昨年のFZMZのVRライブをも超える、記録的数値である。

 初音ミクを採用したVRコンテンツはこれまでにも数多くあったが、シンプルながら完成度を高めたことが功を奏したように感じる。その上で、かつてないほど日本のプレイヤー数が増えつつある『VRChat』だからこそ、これだけ多くの人が訪れたものと推測される。素朴な感想にはなるが、初音ミクというコンテンツの強さを改めて感じた次第だ。

商品の3Dモデル化や採用パッケージ化……各所で増えつつある『VRChat』活用

 先ほど紹介したマクドナルドの例に近いものとして、サントリーの新商品『クラフトボス 世界のTEA』と、メタバースクリエイターズとのコラボ企画が挙げられる。ドリンクが3Dモデル化されて無料配布がスタートしたほか、メタバースクリエイターズに参画中のクリエイター・るら氏の人気ワールド『Luminous Hotel』に期間限定で3Dモデルが設置される。自動販売機から購入できる体験つきだ。

 企業製品の3Dアセット化は、同業でもアサヒ飲料などが取り組んでおり、メタバース事業参入の形としてはわかりやすいケースとして事例が増えつつある印象だ。『VRChat』くらい自由度の高いプラットフォームになると、「自分たちである程度好きに扱っていいもの」がユーザーに求められているため、企業が率先して3Dアセットを配布する流れは喜ばれやすい印象だ。

 toB事例では、人気ワールド「NAGiSA」を用いた採用パッケージ『NAGiSAスーパーカジュアル面談』の発表があった。5分間で1対1の会話を何度も楽しめるワールドをカスタマイズし、企業の採用担当者と求職者がカジュアル面談を『VRChat』上で実施できるサービスだ。

【GMOペパボコラボ】VRChatで就活!?NAGiSAで採用カジュアル面談をしてみた!!

 先駆けて実施されたGMOペパボとのトライアルでは、応募倍率は約7倍、この面談から本選考へ進んだ人も現れたとのこと。エンタメ以外で『VRChat』の有効な活用法も開拓されつつある印象だ。

 このほかにも、Hakuhodo DY ONEとARROVAによる『VRChat』対応デジタルファッションマーケットプレイス「TOKYO AVATAR GATE」のβ版が始動したり、自治体ワールド「バーチャル倉吉」と「メタバースヨコスカ」のコラボが実施されたりと、企業や自治体同士の共創も活発化している。ヨドバシカメラ マルチメディアAKIBA店では『Meta Quest 3』と『VRChat』の体験会も行われたようで、あらためて注目度が高まっているようだ。

 また、VTuber・赤見かるびは市販アバターの『キプフェル』を“自分風”に改変したアバターをお披露目したり、自前のアバターで服を取り替えておしゃれを楽しむ様子を発信するなど、徐々に「『VRChat』文化に染まる人たち」の姿も。2024年の大きな波を経て、『VRChat』が様々な場所で目撃されつつある。

ボカロP・きくお×VR空間アーティスト・三日坊主に聞く、VRChatワールド『よるとうげ』制作秘話

2024年10月に公開されたVRChatのワールド『よるとうげ』。リアルサウンドテックではボカロP・きくおとVR空間アーティスト…

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