連載:クリエイティブの方舟(第一回)
「動画クリエイターの裏方の地位を上げたい」水溜りボンド・カンタとArks・田口拓朗が語る“YouTubeに捧げた10年”
田口とコムドット・やまとの出会い カンタの叱咤激励がきっかけ
カンタ:でも最初は拓朗が暇そうだから、腹が立ったこともあった(笑)。
田口:カンタは毎日投稿ですごい忙しそうだったもんね。
カンタ:そう。だから、「拓朗もなんかしろよ!」「ブログ書けよ!」って言って。
田口:「お前も毎日投稿の辛さを味わえ!」ってね。
カンタ:俺の切羽詰まってる感じとか、実際に自分で体験しないと伝わらないだろうなと思ったから。ちょっとした悪意も込めて(笑)。正直、当時は辛かったから、汗かいてくれる仲間が欲しかったんですよね。YouTubeといった同じ競技じゃなくても、熱いやつが欲しかった。
田口:なるほどね。でも、ブログなんてまったくやったことがなくて、、一から勉強してやりましたよ。
カンタ:そしたら、結構ブログにハマっていったよね?
田口:そうそう。始めてみたら、数字を伸ばしたくなるんだよね。コーナーを考えてみたり、有名な動画クリエイターの方に取材をさせてもらったり。
カンタ:ブログがきっかけで、コムドットのやまとと仲良くなったんだっけ?
田口:深く関わるようになったのは、その数年後かな。後輩に「YouTubeを本気でやろうとしてる友達がいて、一度会ってほしい」って言われて、会ったのがやまとだったの。
カンタ:あれって本当の初期だったよね?
田口:うん。登録者数500人くらいだったかな。原宿の駅前で、声かけをしてた時期。
カンタ:やまとって、拓朗の経験をしっかり吸収して大きくなっていったんだなと思う瞬間が、多々ある。そういえば、やまとに初めて会ったとき、「初めて会った気がしないです」って言われたんだよね。
田口:えっ、それはなんで?
カンタ:なんか、拓朗と俺が似てるらしい。
田口:似てるかな? 自分たちでは分かんないね。
カンタ:うん。「なんか、雰囲気が」って言ってた。
人か企画か カンタが考える“伸びるチャンネルの傾向”とは
カンタ:水溜りボンドは企画力で伸びたチャンネルだと思ってて。でも、YouTubeを始めて2年目くらいかな。東海オンエアやフィッシャーズと同じ企画をやっているのに、明らかに再生回数の伸びが違うって気づいた瞬間があったの。
企画で人を集めていると、バズるのは早いかもしれないけど、企画次第になってしまう。でも、人が愛されてたら、なにをやっても見てくれるよねって。
田口:それはやまととも話したことがある。最初に「人でいくか? 企画でいくか?」って聞いたら、やまとは「人でいきたい」って答えてた。
カンタ:人自体にファンがつくと、伸び始めたら強いんだよね。コムドットは1個前の世代のノウハウを踏襲しながら、自分たちのなかに落とし込んでいるイメージがある。「すごい優秀な二世が現れた!」って思ってるもん。
田口:カンタとやまとも、ちょっと似てるんだよね(笑)。やまととご飯に行くと、ノートにメモ取ってる。
カンタ:やばっ!(笑) 俺じゃん! そういえば、前にやまとと話したとき、「メモ取っていいっすか?」って聞かれたことあったな。そのとき、「俺、自分と電話してんのかな?」って思った。