「ぷよぷよ」年間王者、ゆうき選手&お母様にインタビュー 小学生にして“日本一”の夢を叶えた若き才能の見守り方

「ぷよぷよ」ゆうき選手を直撃

 大人であっても子どもから学ぶことは多いが、まさに今回はそんなインタビューだった。

 『ぷよぷよeスポーツ』の2025年シーズンの年間王者を決める戦い「GigaCrysta ぷよぷよグランプリ ファイナル」が2月8日に開催。決勝はゆうき選手 vs ともくん選手による、小学生 vs 大学生の対決となった。

 ライバル同士の決勝戦はスコア「19 vs 19」(20本先取)の接戦に。激闘の末、年間王者を勝ち取ったのは、小学生のゆうき選手だった。

 取材班は、優勝直後のゆうき選手にインタビュー。また今回は、ゆうき選手のお母様と「ぷよぷよ」シリーズ総合プロデューサー・細山田水紀氏(以下、ぷよぷよプロデューサー)にも話を聞くことができた。(小川翔太)

小学4年生のゆうき選手は「もともと好きなことを見つけたときの熱量がすごい」

 

 ゆうき選手が最初に「ぷよぷよ」に興味を持ったきっかけをお母様に聞いたところ、もともとはテトリスを目当てに『ぷよぷよテトリス2』を買って遊んでいたとのこと。そこから「ぷよぷよ」を遊んでみたら面白く、以降は「ぷよぷよ」にハマったようだ。

 ちなみに最近、「ぷよぷよ」以外にハマったゲームは『Pokémon LEGENDS Z-A』、少し前までは、今回の決勝で戦ったともくん選手と「スプラトゥーン」で遊んでいたとのこと。

激戦のあと、何社もの優勝インタビューを受けてぐったり。取材が始まると、しっかりと回答してくれたゆうき選手。

 現在、ゆうき選手は小学4年生、勉強の時間も増えて、「ぷよぷよ」の練習もあるなか、他のゲームを遊ぶような時間はあるのだろうか。

 そんな問いに、お母様は「勉強も頑張ってよね(笑)」と投げかけ、ゆうき選手は「まあ、なんとか(笑)」と答えた。

 現在は、1日2時間ほど「ぷよぷよ」の練習をしているようだ。

 お母様に「ゆうき選手の才能に気づいたタイミング」について聞いてみた。

「才能に気づいた瞬間ではないのですが、もともと好きなことを見つけたときの熱量がすごいので、『ぷよぷよ』に熱量があるのに気づいたときに、なるべく自由に楽しんでほしいと思いました」

 普段から、子どもを信じて、興味・関心を尊重しているからこそのご発言なのだろう。

 そんなお母様も自宅では、ゆうき選手がとても大きな連鎖を組んでいるのをみて、「なんだこれ(笑)」と驚く瞬間もあるという。

 小学生の興味・関心は移り変わりやすいものだ。

 常に熱量が下がらず「ぷよぷよ」をプレイできているのか気になるところ、恐る恐る聞いてみたが、さすがのゆうき選手は発言にも歯に衣着せない。

「うーん、相手がつまらないことしてくるときは、つまらない」

 この発言には思わず、その場の取材陣も笑ってしまったが、続けて、ゆうき選手は(以前)ともくん選手と対戦していて、勝てなさすぎて一瞬だけ「ぷよぷよ」のことが嫌いになった、と「王者」だから許される「本音」の連鎖をやめなかった。

ゆうき選手の世代は『ぷよぷよeスポーツ』では「黄金世代」

 ゆうき選手の世代は「黄金世代」と呼ばれており、同年代で強豪プレイヤーが多い。

 決勝で戦ったともくん選手は大学生、きーくん選手はゆうき選手と同じ小学4年生、おうすけ選手は1つ下の小学3年生だ。

 ゆうき選手は、同じ小学生プレイヤーの活躍をどのように見ているのだろうか。

「まず、きーくん選手は中盤戦を重視したプレイをしていて、形が良いときは15連鎖を打ってきたり、急に火力を出してきたりして、緩急がすごい」

「おうすけ選手は最初に会ったときに、GTR(※最もポピュラーで強力な折り返しの型)以外の土台を組んでいて『この子、めっちゃ才能あるやん』と思っていたら、ちゃんと10連鎖とか打ってきて『この子、ぜったい伸びるだろうなぁ』と思った。僕と同じく火力が高くて、17連鎖を打ってきたり。中盤戦も上手くて、攻めも上手くて、いろいろできる選手」

 なんだろう、すでに「ゆうき節」のようなものが完成されている気がする。ここまで相手を正確に分析して、言語化できるプロゲーマーは大人でもなかなかいない。

「日本一を維持して、安定させられたら、本当に日本一を達成したことになるのかな」

 お母様に「普段どんなサポートを意識しているか」を聞いてみたところ「本人の意思を尊重して、やりたいようにさせています」とのことだ。

 続けて「勉強も学年が上がるにつれて、忙しくなっているとは思うのですが……本人のやりたいことが、一番伸びることだと思っているので、楽しんでいることを続けてくれればと思います」と話してくれた。

 筆者はゆうき選手に2年ほど前にインタビューしたことがある。その時と比べても、さらにプロの道が現実的になってきたように思うので、将来の夢についても聞いてみた。

「電車の運転士さんになりたいという夢はまだあるんですけど、『ぷよぷよ』の夢がどんどん叶ってきた。今日も、この1年の最強を決める大会で優勝しちゃったから、目標にしていた日本一を達成したので、あとはそれを維持して、安定させられたら、本当に日本一を達成したことになるのかなと思います」

 なんというか、小学生とは思えない発言の数々だ。

 お母様も「“夢を叶えたい”ではなく、“夢が叶った”なので(笑)。私たちもびっくりしています」と驚きを隠せない様子だった。

 長時間の取材にお疲れの様子だったが、最後に2つの質問をさせてもらった。

 まず「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2025 SHIGA ぷよぷよ部門 滋賀本大会」にて、小学生の部ではなく、オープンの部門から出場したという件について。

 どうやら、小学生の部は「普通に勝ててつまらない」らしく、加えてともくん選手と決勝で当たりたいというのが大きかったようだ。

 最後に気になったのは「eスポーツアワード」の2部門(「U18部門」「マインドゲームプレーヤー賞」)の受賞についてどう思ったかだ。

 これに対して、ゆうき選手は「へーすごいなーって思いました」と一言。

 もうお疲れのようで、社交辞令もしてくれなくなった。ちなみに取材現場は爆笑だ。

 続けて、ゆうき選手は「俺すごいなーみたいな感じで、そんな興奮はしてませんでした。受賞できたのは嬉しかったです」と話した。

 「eスポーツアワード」の受賞について、お母様にも聞いてみたところ、どうやらお母様は同アワードのことをよく知っている様子だった。

「えらいことになった!」

 息子の受賞を聞いて驚いたようだ。

 「eスポーツアワード」では、お母様も自身の好きな選手に投票をしていたとのことで、まさか自分の子供の名前が出てくるとは思っていなかったようだ。「本当にありがたいことだと思っています」と締めくくった。

ぷよぷよプロデューサーにも「ゆうき選手のすごさ」について聞いてみた

ぷよぷよプロデューサーこと、細山田水紀氏
ぷよぷよプロデューサーこと、細山田水紀氏

 最後に「ゆうき選手のすごさ」について、ぷよぷよプロデューサーに聞いてみた。

「全国都道府県対抗eスポーツ選手権(eスポーツ国体)の小学生部門で2年連続で優勝(※)しているので、この時点で、すごい選手なのは間違いありませんでした」

※ゆうき選手のeスポーツ国体での戦績
 2023 鹿児島大会 (ぷよぷよ部門 小学生の部):優勝
 2024 佐賀大会 (ぷよぷよ部門 小学生の部):優勝
 2025 SHIGA大会 (ぷよぷよ部門 オープン参加の部):優勝

 当時から変わらぬ強さだったようだ。

 加えて、ぷよぷよプロデューサーが念押しするのは、「ゆうき選手が小学生の部ではおさまらない」ということだ。実際、昨年の滋賀大会では、ゆうき選手はオープン参加(一般)の部門で出場して優勝している。

「小学生の選手は小学生部門に出場するのが普通の選択なのですが、そのチャレンジ精神が凄まじいです。

 また、ゆうき選手は(試合中や対戦の前後で)感情を爆発させることが多くて、試合に勝ったときは弾けるように喜んで、試合に負けたときは、とても悔しそうにしている様子が印象的。大人のeスポーツ選手は、あまり感情を表に出さないのですが、その辺りはゆうき選手の魅力の一つです。

 プレイについては大人顔負けの実力を持っていて、どんどん強くなっているので、先日の『eスポーツアワード』での2部門の受賞も然るべきだと思います」と、ゆうき選手の活躍を評した。

 最後に、ぷよぷよプロデューサーは「親御さんの理解とご協力がありがたくて、大会にも頻繁に足を運んでくださっています。まさに親子のパワーだと思います」と、ご両親への感謝も示した。

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