世界一の携帯評論家・山根康宏のスマホ進化論(第5回)
ワンタッチで覗き見防止 世界初のモバイル向け「プライバシーディスプレイ」を搭載したSamsungの『Galaxy S26 Ultra』

サムスンは2026年3月12日から新型スマートフォン「Galaxy S26」シリーズを発売する。大画面と高性能なカメラを搭載した『Galaxy S26 Ultra』、手ごろなサイズのボディーで高い性能を誇る『Galaxy S26+』『Galaxy S26』の3機種だ。それぞれNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルから発売されるほか、SIMフリーモデルも登場する。これらの中で最も特筆すべきは『Galaxy S26 Ultra』だ。サンフランシスコで開催された新製品発表会の会場などで、実際に使い勝手を試してみた。
「Galaxy S26」シリーズ3モデルの概要
「Galaxy S26」シリーズの共通の特徴は、スマートフォンの心臓部であるチップセットにクアルコムのSnapdragon 8 Elite Gen 5 for Galaxyを採用していること。現時点で最も高性能なチップセットであり、ゲーム、画像処理、そしてAI性能にも優れている。どの製品を買っても普段使いからちょっとしたハードな作業までも楽にこなすことができ、動作にストレスを感じることはないだろう。


フラッグシップモデルとなる『Galaxy S26 Ultra』は、昨年発売された『Galaxy S25 Ultra』の後継機となる。本体全体の形状が丸みを帯びたため、6.9インチの大型ディスプレイを搭載するにもかかわらず、片手でも持ちやすいと感じられた。

バッテリーは5000mAhを搭載。60Wの急速充電に対応し、30分で75%までの充電が可能だ。目が覚めて「電池が切れている!」なんて朝も、外出準備をしている間にある程度充電できるというわけだ。また本体重量は214g。最近のスマートフォンはどんどん重くなる製品もあるが、『Galaxy S26 Ultra』は前モデルよりさらに軽くなっている。

本体左下にはSペンと呼ぶ、手書き用のペンが収納されている。このSペンは充電不要で使用でき、ペンを抜いた瞬間から画面に手書きをしたり、スケッチを描くことができる。殴り書きしたような手書き文字をデジタル文字に変換したり、ラフなスケッチを描いて、それを生成AI機能を使い清書してアーティスティックなイラストに変換する機能も備える。このイラスト変換はそこから表情やポーズを変えた約10種類のステッカーも作成可能。さらにステッカーは「寝坊した三毛猫」のように、文字で指示して作成することも可能だ。

画面ののぞき見を防止はフィルムシートとは異なり細かく設定が可能!
スマートフォンを使っているとき、ふと周りの視線が気になって横を見ると、隣の人に自分のスマートフォンを覗かれている、そんな経験はないだろうか? そのようなのぞき見防止用に、画面を横から見えなくするプライバシーフィルムが市販されている。だがプライバシーフィルムを張ると、今度は友人や家族で集まって自分のスマートフォンを一緒に見ようとすると、横の人たちからは見えず、またQRコード決済を行うとき、読み取り機が画面表示されたQRコードを読み込めないことある。

『Galaxy S26 Ultra』は世界初となるモバイル向けのプライバシーディスプレイを採用している。この機能は必要に応じてONとOFFを切り替えられる。のぞき見が心配な人は、普段からONにしておくといいだろう。実際に機能をONにしてみると、スマートフォンの画面を横から見ても、画面全体が暗くなり何を表示しているか見えなくなるのだ。

この機能は画面全体を見える、見えないという設定のほか、アプリケーションごとに設定を変えることができる。たとえばYouTubeは常にみんなで見たいし、特に人に見られて困ることがないからOFF。一方でSNSの内容はプライベートなことがあるのでONにする、といった個別の設定ができる。

そしてプライバシーフィルムでは絶対にできない設定が、通知だけをコントロールする設定だ。メッセージやアプリからの通知は、時には「会社から給与が振り込まれました」や「明日の病院の予約のリマインドです」のように、あまり見られたくないものもある。『Galaxy S26 Ultra』ならばこの通知だけをオフにできるのだ。実際に使ってみると、動画を視聴中に通知が来ても、横から見ている人は動画の再生は妨げられず、画面上部の通知だけが黒く表示される。

スマホが生活をサポートするエージェントになる
AIという言葉をよく聞くようになったが、実際に何ができるのかという点では、なんとなくおぼろげなイメージしかもっていない人も多いだろう。AIも今では「何ができるか」という用途に応じてさらに呼び方が分られており、先に書いた画像処理や文字の清書を行うAIは「生成AI」と呼ぶ。
一方、「Galaxy S26」シリーズに搭載される「エージェントAI」は、ユーザーのアシスタントという機能(これは「アシスタントAIとも呼ぶ)がさらに進化し、何をしたいかを先回りして自動的に作業を済ませてくれる。
たとえば旅行の日の朝、寝坊してしまって急いでタクシーを呼ぶ場合、配車アプリを立ち上げて、目的地を入力。そして配車を待つというのが今までのやり方だ。Galaxy S26シリーズでは、グーグルのAIサービス「Gemini」(ジェミニ)を呼び出して「空港までタクシーで行きたい」と伝えるだけで、自動的に配車サービスアプリが立ち上がり、目的地の入力も行い、あとは自分でどの車を選ぶかを決めるだけの画面が表示される。急いでいて慌てて文字を入力し間違えることもなく、ただスマートフォンに話しかければよい(この機能は現在はアメリカと韓国で対応)。

あるいは友人から「来週の5日の夜、食事に行かない?」とメッセージが来たとき。普通ならカレンダーアプリを開いて来週を表示して、画面をスクロールして夜の予定を確認、それから返事をするだろう。Galaxy S26シリーズに搭載された「Now Nudge」(ナウナッジ)と呼ぶ新しいエージェント機能なら、メッセージが来るとその下に「来週の5日:19時からジム」のように、カレンダーにすでに保存している予定が表示される。つまりカレンダーアプリをわざわざ開かなくとも、すぐに返信ができるのだ。
実際に『Galaxy S26 Ultra』をサンフランシスコの発表会会場で体験してみると、これらの機能がとても便利なことを実感した。スマートフォンに入っているたくさんのアプリの中から必要なアプリを探す必要もなく、ユーザーはただスマートフォンに向かって希望することを話しかけたり、友人からの問い合わせに即座に回答できるのだ。
他にも様々な新機能がある「Galaxy S26」シリーズだが、エージェントAI機能はこれからのスマートフォンの使い方を大きく変えるだろう。また『Galaxy S26 Ultra』のプライバシーディスプレイは安心してスマートフォンを使うことができる。この春、話題の新製品といえる「Galaxy S26」シリーズ、キャリアの店舗や家電量販店でこれらの機能をぜひ試してもらいたい。
























