レゴで鋼製の棒をねじ切る!? ブロックを使ったさまざまな実験に挑むチャンネル
YouTubeでは「やってみた動画」をはじめとして科学実験動画を見かけることも多い。そんな中、ブロックおもちゃの「レゴ」を主に利用するという制限の中実験に挑むチャンネルがある。
それが今回紹介する「BrickExperimentChannel」。2017年12月の動画から始まり、現在チャンネル登録者数 259万人のチャンネルだ。このフィンランドの出身の投稿者によるレゴ実験動画をいくつか紹介しよう。
LEGOで鋼製の棒をねじ切る!?
レゴの純正シャフトを強くねじるとどうなるかの実験をしているこのチャンネルに、ある日投稿された「もう一度この実験をやってくれないか?次は鋼のレゴシャフトで」というコメント。そこからこの動画は始まった。基本的な実験方法は、レゴの土台にシャフトの一方を固定、片方をレゴ製品のモーターにギヤを介して接続しモーターを回転させるというもの。変更していくのはモーターの数やギヤ比である。
自転車のギヤを思い出していただくとわかりやすいと思うが、馬力(W)は回転数(rpm)×トルク(Nm)によって決まる。つまり、低速ギヤ比にしていくことにより回転数を落としトルクを増大させシャフトをねじ切ることを狙っている。
まず、純正レゴのシャフトを変形させる1.8Nmのトルクからスタート。さすが鋼製、びくともせず土台側がゆがむ。次にモーターを増設して3.3Nm、これでもほぼ変形なし。ギヤ比を変更し、約5Nmでようやくねじり戻らない変形が確認された。
その後も変更を加え、トルクの数値を上げていく。トルクが上昇するとともにシャフトの変形量も多くなる。そしてトルク15Nmで土台とシャフトの接続口やギヤパーツ自体が負荷に耐えられず壊れてしまう。どうやら単純に鋼製シャフトをねじ切ることはできなかったようだ。
次に狙うのは金属疲労によるねじ切りである。金属疲労とは金属物体が力学的応力を継続的、あるいは繰り返し受けたとき、金属物体の機械材料としての強度が低下する現象であり、小さな応力でも繰り返し負荷させることでその金属物体が破壊がされることもあるというものだ。
ここではねじる方向をたびたび変え、金属疲労を狙う。繰り返しの負荷によりシャフトに熱が発生、影響を考慮してか冷やしてから再開する。そしてねじり返し26回目で小さいながらも破壊を確認。ひびが入ってから切れる瞬間が動画で確認できる。さらに回転をさせることによりねじ切ることに成功。レゴという制限されたパーツ選択幅の中で工夫する力を見たと同時にレゴの自由度の高さも知ることができた。