リアーナやビヨンセが被害に 音楽ストリーミングによる違法アップロードへの解決策は?

 では、この問題を避けることはできないのだろうか。同氏はこのように続ける。

「YouTubeは10年以上前から、急増する違法アップロードで第三者が不当な収益を得られないようにする『コンテンツID』という著作権管理システムを全世界で導入しています。自分が著作権を持つコンテンツが、無断でアップロードされたり、非公式動画が勝手に作成されることを防げます。著作権のオーナーは、コンテンツIDを使えば公式コンテンツ以外をブロックすることもできますが、非公式動画からマネタイズすることもできる。ピコ太郎の『PPAP』が非公式動画でコンテンツIDを活用してマネタイズしたことは有名です。

 今後ストリーミング業界での違法アップロード被害がさらに悪化すれば、音楽業界からプレッシャーもかかるはず。そうなった場合、ストリーミング業界もYouTubeのような対策を練るのではないでしょうか。

 推測ですが、すでにSpotifyやApple Musicなど大手ストリーミングでは対策システムの開発者が存在しているのではないかと思っています。いつになるかは定かではありませんが、そのシステムが本格的に導入されて、各地域に展開していけば、フェイクアルバムのリリースを未然に防ぐこともできるかもしれません」

 利用者数拡大に併せて、各社新機能を導入するなどしてさらなる進化を遂げようとしている音楽ストリーミング業界。しかし、その一方で新たな問題にも立ち向かわなければならなくなってしまった。今後は、違法アップロードにおける対策システムの有無も、サービスの差別化につながる要因になるかもしれない。

(文=北村奈都樹)

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