Spotify&Apple、立て続く企業買収 各サブスクリプションサービスの狙いとは?
2月6日にSpotifyがGimletとAnchorの買収を発表した(参照)。GimletとAnchorは、両社ともにポッドキャストを手がけている会社だ。一方でAppleは、2018年には音楽分析を手がけるAsaiiや音楽認識アプリShazamのほか、音楽スタートアップ会社Platoonを買収したとも報じられている(参照)。近年数々の企業と提携し、サブスクリプションサービスの強化を進めている両社。では、こうした買収の動きはどのような狙いがあるのだろうか。デジタル音楽ジャーナリストのジェイ・コウガミ氏に話を聞いた。
「Spotifyは新コンテンツの強化を目指しているのだと思います。Gimletは、ポッドキャスト制作会社のなかでも最も大きな会社です。ポッドキャストドラマ『Homecoming』などオリジナルコンテンツを持っていて、『音声版HBO(アメリカ合衆国の衛星およびケーブルテレビ放送局)』とも呼ばれています。今回の買収の動きによって、Spotifyは“ポッドキャストを配信できるプラットフォーム”として機能していくと予想されます。また、Spotifyがポッドキャストを強化すれば、音楽ではなくラジオのようなものを聞きたいという人も取り込めるため、新たなユーザー層の獲得も見込めるでしょう。
Appleもポッドキャストを導入していますが、Appleの場合Apple Music内にはないので、別のアプリが必要になります。Spotifyのように、音楽とポッドキャストの両方を利用できるサービスは珍しいので独自性の強いサービスになっていくことでしょう。
Appleは、長時間Apple Musicを利用してくれるような音楽的ユーザーを増やしていきたいのだと思います。音楽面での充実によってユーザーが伸びている傾向にあるので、より機能性を広げていきたいと考えているのではないでしょうか。また、買収が報じられたPlatoonは、新しいアーティストの発掘/育成を得意としている会社です。そういった会社と提携すれば、Apple Musicでの新人アーティストの発掘や、ヒットに恵まれないアーティストをブレイクさせることなどが期待できるでしょう」