ストリーミング売上がついにダウンロード超え 転換期を迎えた音楽配信事情を解説
日本レコード協会が2018年の音楽配信売上を発表した。配信全体では約644億6600万円(対前年比113%)。区分別では、ストリーミングの売上高が348億6600万円(113%)、ダウンロードの売上高が256億3900万円(95%)を記録(参照)。初めてストリーミングがダウンロードの売上を超えるという結果になった。
売上の詳細を見てみると、日本でもストリーミングが普及していることを実感するとともに、減少しているとはいえ、まだダウンロードの需要があることも確かだ。そこで本稿では、音楽配信の売上事情について、デジタル音楽ジャーナリストのジェイ・コウガミ氏に話を聞いた。
「まず、音楽配信の売上が伸びている原因に関しては、“スマートフォンで音楽を聴く人が増えている”ということがいえるでしょう。また昨今の聴き方の傾向として、“自分の端末で好きな音楽を好きなときにアクセスする”ということが一般的になってきています。
その中で、ストリーミングの売上が上昇した理由は3つ挙げられます。1つ目は、2018年に日本人アーティストのストリーミング解禁が増えたこと。2つ目は、学生割引やファミリー割引、DAZNとSpotifyのセット割といった割引料金が増えたこと。3つ目は、Amazon Echoなどのスマートスピーカーの量販店販売の開始が挙げられます。Amazon Echoを利用するために、ストリーミングを利用し始めた人も多いのではないでしょうか」