『映画ちいかわ』歴代10位の爆発的スタート 今後の興行を左右する二つのポイント

『映画ちいかわ』興行の二つのポイント

 7月第4週の動員ランキングは、イラストレーターのナガノの大人気コミックを自身の完全監修のもと初映画化したアニメーション作品『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』がオープニング3日間で動員150万8500人、興収22億4000万円をあげて初登場1位となった。このオープニング成績は、動員では歴代11位、興収では歴代10位となる驚異的な数字。動員よりも興収の方が歴代で上位となったのは、全国65館のIMAXスクリーンでの上映が効いているのと、観客が若年層やファミリー層に偏ってなく、シニア層以外から満遍のない支持を集めているからだろう。

 ちなみに、歴代オープニング興収が『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』より上位の9作品は『鬼滅の刃』シリーズ2作、『名探偵コナン』シリーズ直近の4作、『ONE PIECE FILM RED』、『劇場版 呪術廻戦 0』、そして現在公開中(先週末も2位)の『トイ・ストーリー5』という顔ぶれ。つまり、『鬼滅の刃』と『呪術廻戦』の『週刊少年ジャンプ』発超人気コンテンツと並んで、シリーズの続編作品ではなく1作目からいきなり歴代トップ10の仲間入りをしたということになる。

 そんな前例が見当たらない『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』の今後の興行を占う現時点でのポイントは二つ。一つは、オープニング3日間の動員が金>土>日と、非常に高い水準をキープはしていたものの金曜日から日曜日にかけて下降傾向にあったこと。その背景には、来場者プレゼントを確実に入手したいという観客心理が影響していたと思われるが、結論を言うと、公開から6日後の本稿執筆時点で来場者プレゼントが品切れになっているという報告はない。つまり、配給している東宝もこのレベルのメガヒットは当初から想定済だったということだ。

 もう一つは、歴代オープニング記録で『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』よりも上位の他のシリーズ続編作品とは違う幅広い層において、公開後のソーシャルメディアや口コミが広がっているということ。これはシリーズ1作目(次作が何年後になるかわからないが、よほどのことがない限りシリーズ化するだろう)特有の現象で、今まさに日本中の映画館で『ちいかわ』の(キャラクターではなく)作品世界に初めて出会っている人たちが膨大にいるのだ。

 おそらく、第一弾の来場者プレゼントが品切れになったとしても、第二弾、第三弾と準備もされているはず。来場者プレゼントが変わる度に映画館に何度も足を運ぶ作品ファンダム的心理が、これまで実感としてはあまり理解できなかった自分も、最初の週末だけで2回観てしまった今ならわかる。この夏、きっとまたちいかわたちに会いに自分も映画館に行くことになるだろう。

■公開情報
『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』
全国公開中
キャスト:青木遥(ちいかわ)、田中誠人(ハチワレ)、小澤亜李(うさぎ)、井口裕香(モモンガ)、内田雄馬(ラッコ)、淺井孝行(くりまんじゅう)、島袋美由利(シーサー)、春海百乃(古本屋)、最上嗣生(島二郎)、鈴木みのり(セイレーン)
原作・脚本:ナガノ
監督:及川啓
キャラクターデザイン:辻智子
コンセプトアート:橋本真樹
プロップデザイン:高妻匠
色彩設計:長井彩香
美術監督:眞﨑萌
CG監督:中野祥典
撮影監督:岡﨑正春
編集:高橋歩
音響監督:土屋雅紀 
音響効果:倉橋裕宗(オトナリウム)
音楽:トクマルシューゴ/上水樽力
アニメーションプロデューサー:溝口侃
アニメーション制作:サイピク
製作:川上洋一、古澤佳寛
エグゼグティブプロデューサー:松崎容子
プロデュース:今福太郎
プロデューサー:小峯雅隆、障子直登
宣伝プロデューサー:林原祥一、斎藤愛子、狩野裕明
製作幹事:QTORY inc.
配給:東宝
©ナガノ / 2026「映画ちいかわ」製作委員会
公式サイト:https://chiikawa.toho-movie.jp/
公式X(旧Twitter):https://x.com/chiikawa_movie
公式Instagram:https://www.instagram.com/chiikawa_movie
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@chiikawa_movie

『今週の映画ランキング』(興行通信社):https://www.kogyotsushin.com/archives/weekend/

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