宇野維正の映画興行分析
『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』シリーズ史上トップ、歴代3位の堂々たる発進

4月第2週の動員ランキングは、劇場版『名探偵コナン』シリーズ29作目の『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』がオープニング3日間で動員231万8000人、興収35億200万円をあげて初登場1位となった。今週2位、前週までは6週連続で1位だった『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』の同期間の動員は7万6600人、興収は9800万円なので、先週末の『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』は2位作品の実に30倍の動員、36倍の興収をあげたことになる。
言うまでもなく、そんな独走というのも憚られるほどの圧倒的独走を可能にしているのはしばしば話題になるシネコンの異常なまでのスクリーン占有率の高さなわけだが、あくまでも順序としてはそれだけの需要があってのスクリーン占有率であり、もっと言うなら、需要と供給のバランスを正したならばさらにスクリーン占有率が増すことになる。この週末に上映されていた他作品の枠は、いわばシネコンの良心と言っても過言ではない(もちろん、それがずっと続いたら困るわけだが)。
では、そんな『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』の35億200万円という桁外れのオープニング興収が歴代では何位かというと、1位『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章』(2025年)の55.2億円、2位『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(2020年)の46.2億円に続いての歴代3位。劇場版『名探偵コナン』シリーズでは、昨年公開の『名探偵コナン 隻眼の残像』が記録した34億3800万円を超えて、3年連続でシリーズ史上最高のオープニング成績を更新することとなった。
2023年公開の『名探偵コナン 黒鉄の魚影』で初めて最終興収100億円の大台を超えてからは、オープニング成績の4.2〜4.7倍前後の最終興収でフィニッシュしているので、それに則して算出するなら、最終興収は147億円から165億円くらいのレンジに収まる見込みだ。
というわけで、数字ばかり並べてしまったが、それが安定した人気を保っているフランチャイズ作品の興行分析というもの。先週も書いたように、歴代トップ5レベルの初動成績を出すのが確実な作品と公開時期が重なるのは、他の作品にとっては事故のようなもの。他の作品の不入りを嘆いても仕方がない。
■公開情報
『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』
全国公開中
キャスト:高山みなみ(江戸川コナン役)、山崎和佳奈(毛利蘭役)、小山力也(毛利小五郎役)、沢城みゆき(萩原千速役)、三木眞一郎(萩原研二役)、神奈延年(松田陣平役)
スペシャルゲスト:横浜流星、畑芽育
原作:青山剛昌
監督:蓮井隆弘
脚本:大倉崇裕
音楽:菅野祐悟
主題歌:MISIA「ラストダンスあなたと」(Sony Music Labels Inc.)
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント
製作:小学館/読売テレビ/日本テレビ/ShoPro/東宝/トムス・エンタテインメント
配給:東宝
©2026 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
『今週の映画ランキング』(興行通信社):https://www.kogyotsushin.com/archives/weekend/





















