宇野維正の映画興行分析
『プラダを着た悪魔2』、前作から20年後の「メガヒット」の必然

ゴールデンウィーク真っ最中となる5月第1週の動員ランキングは、『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』が週末3日間で動員84万7000人、興収11億7200万円をあげて2週連続1位。ゴールデンウィーク最終日となった5月6日までの公開から13日間の累計動員は394万6200人、累計興収は54億600万円。3年前に公開された『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は公開10日間で興収65億円を突破していたので、やはり前作ほどの勢いはない。
2位に初登場したのは、メリル・ストリープ&アン・ハサウェイ共演のヒット作の20年ぶりの続編となる『プラダを着た悪魔2』。オープニング3日間で動員66万9000人、興収9億8800万円。5月6日までの公開から6日間の累計動員は129万9100人、累計興収は19億1600万円。自分は同作の試写を観た直後に収録したYouTube「MOVIE DRIVER」で、本作が『ウィキッド 永遠の約束』(公開から62日間の興収21億7200万円)、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(公開から48日間の興収16億7100万円)に続く2026年に入ってから3作目の実写洋画のヒット作になると予測したが、もはやそんなレベルではなく、2026年を代表するメガヒットとなることが確定した。
2006年に公開された前作『プラダを着た悪魔』の最終興収は17億円。もっとも、日本でDVDやBlu-rayなどのフィジカル市場やレンタル業態が衰退する前で、ギリギリまだ日常的に民放のプライムタイムでも実写洋画が放送されていた時代の定番作品でもあった同作は、当時の興行収入からだけでは測ることのできない浸透度の高い作品だった。大方の予想を超える今回の爆発的なスタートダッシュが、改めてそのことを証明したわけだ。
逆にいうと、動画の各ストリーミングサービスでは作品にアクセス可能なもののアルゴリズムがオススメするのは新作ばかり、民放がプライムタイムにほとんど実写洋画を放送しなくなった(今回は日本テレビ系で『プラダを着た悪魔2』公開前週に前作が放送された。それも今回の大ヒットに少なからず貢献しているだろう)現在は、いくらシリーズ1作目が劇場公開時にヒットしたとしても、20年後はもちろん5年後にも同じような現象を生み出すのは難しいだろう。
ちなみに、今回の『プラダを着た悪魔2』で裏テーマとなっているのも、この20年間におけるメディア環境の激変。(物語の舞台である)ファッション雑誌というフィジカルが絶滅の危機に瀕しているだけでなく、そもそもマスメディアの影響力が激減している中、いかに経営を成り立たせて、プロフェッショナルとしての矜持を保ち続けるかが描かれていくわけだが、もし続編の実現があと数年遅かったらそのリアリティも失って、ここまでの共感は観客から得られなかったかもしれない。
■公開情報
『プラダを着た悪魔2』
全国公開中
出演:メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ、エミリー・ブラント、スタンリー・トゥッチ、トレイシー・トムズ、ティボー・フェルドマン、ケネス・ブラナー、シモーヌ・アシュリー、ジャスティン・セロー、ルーシー・リュー、パトリック・ブラモール、ケイレブ・ヒーロン、ヘレン・J・シェン、ポーリーン・シャラメ、B・J・ノヴァク、コンラッド・リカモラ
監督:デヴィッド・フランケル
脚本:アライン・ブロッシュ・マッケンナ
ー、ルーシー・リュー、パトリック・ブラモール、ケイレブ・ヒーロン、ヘレン・J・シェン、ポーリーン・シャラメ、B・J・ノヴァク、コンラッド・リカモラ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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