『風、薫る』見上愛×上坂樹里が生み出す“新しい風” 小林虎之介とは早速“恋の予感”?

『風、薫る』見上愛×上坂樹里が作る新しい風

 Mrs. GREEN APPLEの新緑のような瑞々しく爽やかな楽曲とともに、新しい風が舞い込んできた。

 3月30日に放送開始となった、見上愛と上坂樹里がダブル主演を務めるNHK連続テレビ小説『風、薫る』。本作は大関和と鈴木雅をモチーフに、生きづらさを抱えた2人の女性が看護の専門知識を学んだ日本初のトレインドナースとなり、ともに傷ついた人々を守るために奔走する物語だ。

 第1話は明治15年から幕を開け、やがて血縁を超えたバディとなる2人の主人公、一ノ瀬りん(見上愛)と大家直美(上坂樹里)のバックグラウンドが描かれていく。『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 風、薫る Part1』(NHK出版)に掲載のインタビューによると、りんと直美の物語が重なるのはもう少し先のようだが、早くもその日が待ち遠しくなる初回だった。

 りんは栃木県那須地域の長閑な村で、信右衛門(北村一輝)と美津(水野美紀)の長女として生まれた。前作の『ばけばけ』のトキ(髙石あかり)とは同時代を生きており、彼女もまた元士族の娘だ。ただ、トキの父は否応なしに武士の職を失ったのに対し、信右衛門の場合は明治維新前に自ら家老という高い身分を捨てているところに違いがある。信右衛門が武士をやめた理由も、元陪臣・中村(小林隆)からの役人への誘いを頑なに拒んでいる理由もりんは知らない。唯一分かるのは、信右衛門が2人の娘を心から愛していることと、どこかで「娘に継がせるものなど私には何もない」と無力感を抱いていることだ。

 それはさておき、信右衛門が刀を鍬に持ち替えた当時、わずか3歳で武士の娘としての自覚を持たずに大きくなったりんは少々呑気な性格である。いろいろなことに「なんでだろ?」と首を傾げるけれど、『虎に翼』の寅子(伊藤沙莉)の口癖「はて?」に含まれた反骨心はそこになく、彼女のそれは素朴な疑問のようだ。ゆったりとした口調やへの字の眉も相まって頼りない印象を与えるりんが、職業看護婦の先駆者になるとは今のところまだ思えない。

 また朝ドラの主人公としては珍しく、初回からすでに恋の予感を漂わせている。お相手は、元足軽だった竹内家の長男で、幼なじみの虎太郎(小林虎之介)だ。NHKドラマの『宙わたる教室』と『テミスの不確かな法廷』を経て、朝ドラ初出演を果たす小林。彼が演じる虎太郎は働き者の好青年で、彼もまたりんを大切に思っていることは笑いかけたときにふわっと薫る優しさから伝わってくる。2人が互いを思い合っていることは、りんの妹・安(早坂美海)にはお見通しのようだ。安はりんに持ちかけられた縁談話を、さりげなく自分が引き取ろうとする。

 優しい両親に、優しい妹、優しい幼なじみ。りんがあたたかな空気に包まれているのに対し、文明開化に突き進む東京に暮らす直美の周りは殺伐としていた。いろいろな生地をつぎはぎした着物を身に纏った直美を、「美人だけど妙な格好。みなしごだって?」と揶揄する声が彼女の不遇な生い立ちを物語る。陰口にも負けじと、「いかにも、私がみなしごで耶蘇の貧乏女、大家直美ですが、女学生の皆さま何か?」と言い返す勝気な直美。のちに明らかになるが、彼女は生後まもなく親に捨てられ、キリスト教の牧師に育てられた。この時代に流暢な英語を話すのも、そのためだろう。のほほん顔のりんとは真逆に、直美は常に怒ったような表情を浮かべている。その表情の違いからも明らかなように、正反対な2人はいかにしてバディとなっていくのだろう。りんと直美の出会いが待ち遠しい。

 さて、第1話はりんが虎太郎から「コロリがでた」と告げられるところで幕を閉じる。明治10年代に全国的に大流行したコレラ。明治中期に治療法が確立されるまでは、致死率が70%に達する恐ろしい伝染病だった。この出来事がりんの人生に影響を与え、看護の道へと進ませるのだろうか。

■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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