『月夜行路』“ルナ”波瑠が向き合うことになる父との時間 “バブリー”真田怜臣の存在感も

日本テレビ水曜ドラマ『月夜行路 -答えは名作の中に-』第8話では、ルナ(波瑠)の父が残したパソコンのパスコード解読が続く一方で、バー「マーキームーン」の店員・バブリー(真田怜臣)の過去にも光が当てられた。

美里(石野真子)から依頼を受けたルナと涼子(麻生久美子)は、パスコードの手がかりを追っていた。そんな中、美里から怪我をしたと連絡が入り、ルナは慌てて駆けつける。幸い怪我は捻挫で済んだが、そこで美里は、かつてルナが父と『星の王子さま』を使った謎解き遊びをしていたことを語る。正解の先にあったのは、誕生日プレゼントの隠し場所。父が残したパソコンにも、その記憶が関わっているのではないか。そう聞かされたルナは、避けてきた父との時間に少しずつ向き合わざるを得なくなる。

一方、涼子は街でバブリーを見かけ、自宅へ招く。篤史(平田光寛)や芳香(戸田彩巴)と食卓を囲んでいると、バブリーのもとに幼なじみのマミ(恒松祐里)から電話が入る。マミはバブリーにとって、妹のように大切にしてきた存在だった。しかし、バブリーは18年前に故郷を離れて以来、彼女と会っていない。マミが結婚すると知り、バブリーは花嫁姿を一目見たいと思いながらも、今の自分として会うことには迷いを抱えていた。そんな思いを聞いた涼子は、遠くから見守るだけでもいいのではないかと、そっと背中を押す。
ルナは、マミがバブリーにとって本当の家族のような存在だったと涼子に話す。だからこそ、会いたい気持ちはあっても、過去の自分を知る相手に会うのは簡単ではない。新しい人生を生きるために、昔の自分や故郷とのつながりをいったん手放す人もいる。ルナ自身も、大阪で田村(栁俊太郎)と再会した時には身構えていた。いつも平然としているように見えるルナだが、過去に触れられることへの怖さは、彼女の中にも残っている。

結婚式当日、涼子とルナたちはマミが式を挙げるホテルヴェルディアへ向かう。会場では『赤毛のアン』にまつわるフェアも行われており、美里や田村、さらに小湊(渋川清彦)の姿もあった。田村によると、このホテルではロッカー荒らしが起きており、宝石店連続窃盗事件との関連も疑われているという。マミのことが心配になったバブリーは、思わず彼女の控室へ向かう。スタッフのふりをして近づいた先で、バブリーは高級ジュエリーだけでなく、マミが母の形見として大切にしていたティアラまで盗まれていたことを知る。
ここからはルナの出番だ。ルナが注目したのは、犯人の服装や持ち物に残された小さな違和感だった。「テレビ中継」「腕時計」「黒いスーツ」「カサブランカ」。一見関係なさそうな手がかりを、ルナは『シャーロック・ホームズ』シリーズの『緋色の研究』に結びつけていく。服装や持ち物には、その人の職業や行動が表れる。ホテルマンの格好をしていた男は袖丈が合っておらず、腕時計も外向きにつけていた。さらに袖にはカサブランカの花粉がついている。ルナはそれらの違和感から、ホテルスタッフに扮していた男こそが犯人だと見抜いた。

これで解決かと思いきや、盗品の入ったスーツケースはすでにホテルから発送済み。その中には、マミが母の形見として大切にしていたティアラも入っていた。結婚式に間に合わせるため、バブリーはスーツケースを乗せた車を追いかける。汗だくになり、裸足になってまでティアラを取り戻そうとする姿は、マミの大切な日を守りたいという思いそのものだった。
しかもマミは、バブリーが水を持って部屋に来た時点で“りっちゃん”だと気づいていた。決め手は、オリオン座のように並んだほくろ。「でもどっちでもいい。りっちゃんが大好きって気持ちは変わらない」。その言葉は、今の自分を受け入れてもらえないかもしれないという、バブリーの不安をやさしくほどいていくものだった。18年会っていなくても、マミにとって“りっちゃん”は大切な存在のままだったのだ。

バブリーという役に説得力を与えているのは、真田怜臣自身の存在感でもある。普段は明るく場を和ませる一方で、マミの前に立つことを考えた時には、過去と向き合う怖さや不安が表情に表れていた。真田が演じるからこそ、バブリーの迷いも、マミのために必死に走る姿も、切実なものとして伝わってくる。
バブリーの姿を通して描かれたのは、過去を知る相手ともう一度向き合うことの怖さと、その先にある救いだった。そのことは、父や母との関係を避け続けてきたルナにも響いたはずだ。パスコードの答えはまだ見つかっていない。けれど、父が残した謎を解くことは、ルナにとって家族ともう一度向き合うことにもつながっていくのだろう。
■放送情報
水曜ドラマ『月夜行路 ―答えは名作の中に―』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:波瑠、麻生久美子、作間龍斗、久本雅美、栁俊太郎、渋川清彦ほか
原作:秋吉理香子『月夜行路』(講談社文庫)、『月夜行路 Returns』(講談社)
脚本:清水友佳子
音楽:Face2fAKE
チーフプロデューサー:道坂忠久
プロデューサー:水嶋陽、小田玲奈、松山雅則
トランスジェンダー表現監修:西原さつき、若林佑真、白川大介
演出:丸谷俊平、明石広人
制作協力:トータルメディアコミュニケーション
製作著作:日本テレビ
©日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/getsuyakouro/
公式X(旧Twitter):https://x.com/getsuyakouro























