栁俊太郎らが特濃キャラを完全再現 『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』の丁寧な実写化

そして、完全に原作漫画通りの人間たちが、これまた原作通りに奇行に走る。第七師団絡みのシーンは狂人博覧会的な趣きすらあり、特濃キャラの大暴れという、原作のコアとなる部分を十分に再現……というか、三次元の人間がやっているので、二次元の原作よりもヤバさが増していたように思う。特に二階堂は子どもが見たら夢に出るかもしれない。
そんな特濃キャラたちをさらに濃く見せてくれるのが、劇中で炸裂するアクションの数々。ここで注目したいのが、ちゃんとキャラの個性にあった振り付けが用意されている点だ。杉元は“不死身の杉元”の異名を持つ屈強な兵士であり、驚異的な身体能力を持つ戦闘の天才である。格闘アクション、特に一対一の戦いでは、その個性が高いレベルで表現されている。段どりを感じさせず、ちゃんと天性の反射神経で相手の動きに反応し、アドリブで戦っているように見えた。そして杉元らしい「常人にはできない、かと言ってファンタジーになりすぎない」パワープレイの表現も絶妙である。
他のキャラクターも同様だ。皆、その個性に沿ったアクションを見せてくれる。土方歳三(舘ひろし)は、ド派手な動きも取り入れながら、基本的には昔ながらの時代劇的と言っていい、手数よりも所作や姿勢の美しさで魅せるタイプ。一方で第七師団の二階堂は、異常な狂暴性が前に出ているような、変則的なファイトスタイルで描かれていた(二階堂の話ばかりですみません。本当にすごく良かったんです)。同じく第七師団の鯉登少尉(中川大志)は、日本刀がメインウェポンだが、土方歳三よりもアクロバットで、二階堂よりも剣術の使い手としての「型」を感じさせる動きだった。このアクションの描き分けは、なかなかできることではない。おかげでキャラクターの個性がより際立っていたように思う。
原作の魅力の一つである特濃キャラを完全再現しつつ、その個性を生身の人間が演じるアクションを通じて、さらに濃く見せることに成功していた。原作に真っすぐと向き合った、非常に丁寧な実写化作品であると言っていいだろう。
※アシリパの「リ」は小文字が正式表記
■公開情報
『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』
全国公開中
出演:山﨑賢人、山田杏奈、眞栄田郷敦、工藤阿須加、栁俊太郎、塩野瑛久、稲葉友、矢本悠馬、大谷亮平、高橋メアリージュン、桜井ユキ、勝矢、中川大志、北村一輝、池内博之、木場勝己、井浦新、玉木宏、舘ひろし
原作:野田サトル『ゴールデンカムイ』(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
監督:片桐健滋
脚本:黒岩勉
音楽:やまだ豊
主題歌:10-FEET「壊れて消えるまで」(UNIVERSAL MUSIC / BADASS)
アイヌ語・文化監修:中川裕、秋辺デボ
製作幹事:WOWOW・集英社
制作プロダクション:CREDEUS
配給:東宝
©野田サトル/集英社 ©2026 映画「ゴールデンカムイ」製作委員会
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