栁俊太郎らが特濃キャラを完全再現 『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』の丁寧な実写化

『ゴールデンカムイ』は丁寧な実写化作品に

 アクションは物語の大切な一部。『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』(2026年)は、そんなアクション映画の基本を感じさせてくれる映画である。

 『ゴールデンカムイ』は、北海道に隠された金塊を巡って、くせ者たちが熾烈な戦いを繰り広げる冒険活劇だ。アイヌの少女アシリパ(山田杏奈)は、彼女と行動を共にする杉元佐一(山﨑賢人)と、“のっぺらぼう”と呼ばれる囚人に接触するために網走監獄へ侵入する。のっぺらぼうは、金塊の隠し場所を知る人物であり、アシリパの父親だというのだ。しかし、そこに金塊を狙う勢力が次々と現れ……。

 『ゴールデンカムイ』は大ヒット作品だが、非常に不思議な作品でもある。基本はハードな冒険活劇だが、全編通してギャグも満載で、アイヌ民族の知識も随所にちりばめられていて、完全なグルメ漫画と化す時もある。登場人物は基本的にどこか異常な点があり、特にメインの悪役と言っていい第七師団は、イイ意味で狂人の巣窟だ。加えて裏切りが続出し、つい先日まで一緒にメシを食べていた人間同士が殺し合うこともあれば、その逆も珍しくない。様々な要素が詰め込まれ、人間関係も複雑に変化する。こういったドライブ感のある読み味が同作の魅力だと思うが、この点が映像化にあたって最大の問題であることも事実だ。2時間の映画に収めることは不可能だ。

 そんなわけで本作は映画(2024年に公開された1作目)→ドラマ(WOWOWで放送)→映画(本作)という形で実写化された。ただでさえ人間関係がシャッフルされがちな作品であり、おまけにドラマを挟んでいるので、ここから『ゴールデンカムイ』に触れる観客は、登場人物の把握に混乱するかもしれない。

 しかし、それでも恐らく多くの観客が本作を楽しめてしまうのは、ひとえに原作通りの濃すぎるキャラクターたちと、それを実写で完全再現しようとする作り手たちの執念のおかげだろう。

 『ゴールデンカムイ』実写版の最大の見どころと言ってもいいのが、原作キャラを実写化することへの恐るべき執念だ。もともと雰囲気が似ている俳優さんを呼んでいるが、時には特殊メイクなども駆使してビックリするくらい原作に寄せる。今回から登場の北村一輝と國村隼に至っては、原型がないほど変わっている。また、第七師団の二階堂(栁俊太郎)と宇佐美(稲葉友)も原作から飛び出してきたとしか言いようがない。人間はここまで作画・野田サトルになれるのかと驚くばかりだ。

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