『ヤンドク!』『略奪奪婚』『来世ちゃん』 内田理央はなぜ“攻めた役”を選び続ける?

仕事選びもかなり攻めており、代表作の一つである『来世ではちゃんとします』(テレビ東京系)シリーズで演じたのは、5人のセフレがいる性依存系女子の大森桃江。セーラー服の上から縛られる、口枷をつけられ、鞭で叩かれるなどの過激なシーンが多々あったが、いやらしさはなく、内田のコミカルかつチャーミングな演技でくすりと笑えるレベルに落とし込まれていた。桃江のセックスを純粋に楽しみつつも、ふと湧いてくる誰の本命にもなれない虚しさも内田は丁寧に汲み取って演じており、共感させられた人も多いのではないか。
『嗤う淑女』(東海テレビ・フジテレビ系)では、謎に満ちたダークヒロイン役で新境地を開いた。内田が演じる蒲生美智留はライフコンサルタント業を通じ、美貌から出るカリスマ性と天才的な話術で悩める人々の欲望を駆り立てて破滅に導いていく。優しく寄り添ったかと思えば、厳しく叱咤したり、相手によっては泣いて縋ったりと、感情の浮き沈みはあれど、すべては相手をコントロールするための手段に過ぎない。内田は感情を爆発させながらも、美智留の心は全く動いていないことを視聴者には分からせるという高難易度の芝居を見事やり遂げていた。また美智留は同情の余地がない悪女だったが、誰かに虐げられるくらいなら、どんな手段を使ってでも幸せを掴むべきとする主張には納得させられるところも。それくらい内田が演じる美智留には求心力があった。

今期は『ヤンドク!』にレギュラー出演する一方、『略奪奪婚』(テレビ東京系)で主演を担っている。内田が演じる千春は、幼なじみの司(伊藤健太郎)と長年の交際を経て結婚するも不妊に悩まされた挙句、司の子どもを授かった不倫相手に略奪婚された。自暴自棄になった千春は慰謝料でホスト狂いに。貯金が底をつくと今度はバイト先の上司とトイレで行為に及び、残業代と称してお金を受け取る。その結果、妊娠し、上司から大金を巻き上げて中絶するという、なかなかにチャレンジングな作品だ。毎週のようにベッドシーンがあり、脚本家の国井桂も自身のXで「脚本家になって二十数年、こんなにベッドシーンをたくさん書いた作品は初めてです」と呟くほど。肉体的にも精神的にもハードな役柄に内田は果敢にも挑み、まさに捨て身の熱演を見せており、千春の痛みがリアルに伝わってくる。
どの役も刺激的だが、不思議と自分たちと遠い存在には感じない。それはひとえに内田が自分の中で十分に役を咀嚼し、その特徴を際立てながらも、どこか共感できる部分や応援したくなる一面を随所に滲ませているからではないだろうか。いわば内田はその人物と視聴者の心を近づかせてくれる媒介者である。

『ヤンドク!』の麗奈もキャラクターとしては濃いめだが、決して浮世離れはしていない。16歳でデキ婚するも、すぐに夫に逃げられ、名古屋の高級クラブで働きながら中1の息子を一人で育てているという麗奈。内田の演技は、あらゆる難局を乗り越えてきた人間にしか宿らない強度を帯びている。病気のことや息子のことなど、麗奈のパーソナルな部分が今後の展開でより一層深掘りされていくことを期待したい。
■放送情報
『ヤンドク!』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:橋本環奈、向井理、宮世琉弥、音尾琢真、馬場徹、薄幸(納言)、許豊凡(INI)、内田理央、大谷亮平、大塚寧々、吉田鋼太郎ほか
脚本:根本ノンジ
プロデュース:髙木由佳、貸川聡子(共同テレビ)
演出:佐藤祐市、淵上正人、菊川誠、朝比奈陽子
音楽:近谷直之
主題歌: Ado「エンゼルシーク」(ユニバーサル ミュージック)
制作協力:共同テレビ
制作著作:フジテレビ
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