『羅小黒戦記』『レップレ』『グノーシア』 花澤香菜が“海外発アニメ”で大活躍!

花澤香菜が“海外発アニメ”で大活躍!

 一方、北米発のWEBコミックを原作とする『Let's Play クエストだらけのマイライフ』では、また違った一面を見せている。主人公サム・ヤングは、ゲーム制作という夢を追う22歳の若い女性だ。インディーゲーム開発に情熱を注ぐ一方で、とある出来事による誹謗中傷に悩まされたり、恋愛や人間関係に戸惑ったりと、現代の若者らしい等身大の悩みを抱えている。

『Let's Play クエストだらけのマイライフ』©Let's Play製作委員会

 舞台はロサンゼルス。等身大の葛藤や試行錯誤が描かれるこの作品には、どこか海外ドラマのような雰囲気が漂っており、ファンタジーでもなく幼い少女でもなく、ごく普通の若者として生きるサムの日常を声だけで立ち上げている。“キャラ立ち”を求められる国内アニメとは少し異なるリアリティが漂う本作で、サムの感情の機微を捉えた花澤の演技は、控えめながらも巧みさを見せていた。

「TO BE HERO X」キャラクターコンセプトムービー《クイーン編》 | フジテレビにて2025年放送!/bilibili × Aniplex 新プロジェクト

 近年、花澤の海外タイトルへの参加は中国を中心に広がりを見せている。日中共同制作『TO BE HERO X』では、女性ヒーローの頂点に立つクイーン役を担当。洗練された強さと、信念に基づく正義感を併せ持つキャラクターを、花澤は凛とした声で体現した。中国発『RINGING FATE』の主人公・要役では、運命に翻弄されながらも自らの道を切り開く複雑な内面を丁寧に表現。作品ごとに求められる演技の質が異なる中、花澤はそれぞれに的確に応えている。

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 もちろん国内作品でも存在感は健在だ。『友達の妹が俺にだけウザい』では、毒舌で知られる美人教師・影石菫を演じる一方で、『藤本タツキ17-26』収録の『シカク』では恋する殺し屋の少女という正反対の役柄を演じ分けた。現在放送中の『グノーシア』第6話の最後では、知性を持つシロイルカ・オトメとして登場。海の生き物といえば、過去には『おでかけこざめ』でサメ役も経験済みの花澤。『グノーシア』のオトメは、原作ゲームでもグノーシア化した際の豹変ぶりが印象的なキャラクターだけに、その瞬間をどう演じ分けるのかも見どころのひとつだ。

 いまや制作国やジャンルを問わず、多様な作品が視聴者の手元に届く時代になった。その中で、花澤が演じるキャラクターは年齢・性格・作品性ともに幅広く、同じ声優名であっても表情の異なるキャラクターに出会えるのが面白い。次はどんな国の作品でその声に出会えるのか。その活動領域がどこへ向かうのかは、アニメ産業の国際化を考える上でも一つの指標となりそうだ。

■放送情報
TVアニメ『Let’s Play クエストだらけのマイライフ』
フジテレビ「+Ultra」ほかにて、毎週水曜24:45〜放送
キャスト:花澤香菜(サム・ヤング役)、土屋神葉(マーシャル・ロー役)、中村悠一(チャールズ・ジョーンズ役)、杉田智和(リンク・ハドソン役)、佐倉綾音(アンジェラ・オニール役)、日笠陽子(ヴィッキー・ソング役)、園崎未恵(モニカ・マッケンジー役)、渡辺紘(ダラス・ハドソン役)、辻井健吾(エイブ・カルフーン役)、栗坂南美(オリビア・スウィート役)、松田健一郎(エドガー役)、諸星すみれ(ルーシー・ライト役)、畠中祐(ウメッド・パテル役)、斎賀みつき(ディー・パーカー役)、三宅健太(サミュエル・A・ヤング役)
原作:Leeanne M. Krecic(Mongie)
監督:冨安大貴
副監督:森山愛弓
シリーズ構成:松井亜弥
キャラクター原案:えびも
キャラクターデザイン:海老沢咲希
美術監督:池田裕輔
色彩設計:島方亜矢子、鈴木綾乃
撮影監督:山越康司
ビジュアルデザイン:伊東正志、石見優作
編集:神宮司由美
音楽:コーニッシュ
音響監督:三間雅文
ゲームメインテーマ:Night Tempo「RUMINATE」
オープニングテーマ:久保田利伸「1, 2, Play」
エンディングテーマ:久保田利伸「Left & Right」
企画・プロデュース:スロウカーブ
アニメーション制作:OLM
©Let's Play製作委員会
公式サイト:letsplay-anime.com
公式X(旧Twitter):@letsplay_anime

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