『羅小黒戦記』『レップレ』『グノーシア』 花澤香菜が“海外発アニメ”で大活躍!

配信プラットフォームの普及、そして各国の制作技術の向上により、アニメーションを取り巻く環境は大きく変化した。中国や韓国といったアジア圏の制作力が飛躍的に向上し、海外発のWebtoonやデジタルコミュニティから生まれた作品がアニメ化されるケースも増加している。視聴者が手にする選択肢はかつてないほど多様化し、日本のファンが海外発のタイトルをリアルタイムで楽しむことは、もはや日常の一部となった。
近年その動きはますます活発化し、海外作品における日本の声優の起用は、今や制作側にとっても視聴者にとっても、ごく自然な選択肢のひとつになりつつある。花澤香菜は、その最前線に立つ一人だ。
中国発アニメ『羅小黒戦記』シリーズは、花澤の多彩な表現力を象徴する代表例といえるだろう。花澤が声優を担当したシャオヘイは黒猫の姿をした妖精で、人間の少年のような姿にも変身できる不思議な存在。無邪気で好奇心旺盛な性格ながら、強大な力を秘めており、師匠であるムゲン無限との出会いを通じて成長していく。ヒロイン役や少女役での出演が多い花澤の少年役を楽しめるという点も、ファンにとっては嬉しいポイントだろう。妖精でありながら子どもらしい無邪気さと、物語を通じて描かれる成長のバランスが求められるシャオヘイというキャラクターは、その演技の幅を改めて実感させてくれる。
特に印象深いのは、『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』(2020年)のクライマックスで小黒が「師匠!」と叫ぶシーンだ。師匠への信頼とこの先の自分の未来の選択への意志を込めて叫ぶあの瞬間は、何度見ても胸を打つ。本作はセリフのないシーンも多く、息遣いや猫の姿になったときの愛らしい鳴き声にも、細やかな演技が宿っている。

続編『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』(2025年)では、シャオヘイのさらなる成長が見られる。前作よりも修行を積んだシャオヘイだからこその、危なっかしさと頼もしさが同居する絶妙なバランスに、悠木碧演じる姉弟子・ルーイエとの息の合ったやり取り。ルーイエへの警戒心を解いていく過程での声色の変化も実に自然で、その演技の確かさを改めて感じさせる。




















