三山凌輝、『イグナイト』は役者としての転機に 視聴者を揺さぶり続けた感情表現の幅


その一方で、物語の終盤、法廷でのシーンでは被告代理人として、先述したシーンよりも背筋を伸ばし、よりゆっくりと喋ることで、言葉に説得力を持たせていた。さらに、自分の過ちに徐々に感情的になっていく証人に対して、高井戸はつねにテンションを一定に冷静に保っていた。被告にとって不利になる発言を止めることもなく、淡々と話を聞いていく姿は、結局のところ高井戸がピース法律事務所側の人間なのか、スリースター法律事務所側の人間なのか視聴者を混乱させる。良い意味で、第6話では最後の最後まで高井戸の本心を見せ切らず視聴者を揺さぶり続けたのであった。

実際、三山本人は出演発表時のコメントで「高井戸は一見クールな役ですが、彼の心の内面を探ると多面的に見えるキャラクターだと思いますので、繊細に描かなければならないと思っています」と語っていた(※)。その言葉を具現化するように、一筋縄ではいかない高井戸というキャラクターを、ローなテンションを保ちながら声や表情で差をつけることによって、より深く表現しきったのだ。
きっと、三山の俳優としてのキャリアを振り返っても、今回の高井戸という役は大きなターニングポイントになったに違いない。今後、どんな役で視聴者を楽しませてくれるのか、楽しみだ。
参照
※ https://realsound.jp/movie/2025/03/post-1947836.html
BABEL LABELがTBSと初タッグを組むダークリーガル・エンターテインメントドラマ。“争いの火種”があるところへと潜り込み、人々に訴訟を焚きつけ、あらゆる手段を使って原告を勝訴へと導く「ピース法律事務所」の弁護士たちの姿を描く。
■放送情報
金曜ドラマ『イグナイト -法の無法者-』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:間宮祥太朗、上白石萌歌、三山凌輝、りょう、及川光博、仲村トオル
企画・プロデュース・脚本:畑中翔太
脚本:山田能龍、山口健人
法律監修:福島健史
音楽:森優太
主題歌:B'z「恐るるなかれ灰は灰に」(VERMILLION RECORDS)
プロデューサー:山田久人、瀬崎秀人、駒奈穂子
編成:松本友香、杉田彩佳
監督:原廣利、山口健人、吉田亮
製作:BABEL LABEL、TBS
©︎TBS
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