三山凌輝、『イグナイト』は役者としての転機に 視聴者を揺さぶり続けた感情表現の幅

『イグナイト』三山凌輝の役者としての転機に

 この春、全く新しい“リーガルもの”が登場した。それは間宮祥太朗が主演を務めるTBS金曜ドラマ『イグナイト -法の無法者-』だ。

 本作は、BABEL LABELがTBSと初タッグを組むダークリーガル・エンターテインメント。「Ignite」=火をつけるとの言葉のように、原告になりそうなターゲットの心に火をつけ、訴訟を起こさせる。界隈では“無法者”として知られている怪しげな弁護士事務所を舞台にしたドラマだ。

 その中で、今一度注目したい人物がいる。間宮演じる主人公・宇崎凌が務める「ピース法律事務所」の同僚で、いつもローテンションの最年少弁護士・高井戸斗真(三山凌輝)だ。高井戸は、19歳という若さで司法試験を上位で突破した秀才。大手事務所に所属していたが、轟(仲村トオル)のスカウトによりピース法律事務所へ入所したというキャラクターである。

 それゆえ、劇中では基本的にいつもの三山よりも少し声のトーンが低く、しゃべり方も少し落ち着いている印象。頭が切れるというキャラクター設定を、常に何かを考えて、自分の中で咀嚼しているようなしゃべり方で表現しているようだと受け取った。

 また、三山といえば演じるキャラクターの感情を言葉だけでなく、表情で語るのに長けている印象がある。そのような強みもこの作品では光っていた。

 特に第6話、高井戸がスリースター法律事務所の千賀(田中直樹)に引き抜かれ、パワハラ訴訟において相手側の代理人として宇崎たちと対峙することになる回でのこと。この回では、物語の展開に合わせて変わっていく表情が印象的だった。序盤、宇崎から「敵側に寝返って、ダセェだろ」と言われたところでは、相手を挑発するような憎たらしい表情で「もしかして、僻んでんの?」と鼻で笑ったかのように一言。さらに、真っ直ぐと宇崎を見つめ「自分から見えるものだけが正義だと思うなよ」と告げるのであった。

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