『あんぱん』嵩と健太郎の紙芝居が予想外の反響 『双子の島』に込めた“平和への祈り”

『あんぱん』(NHK総合)第57話が6月17日に放送された。宣撫班に配属され、紙芝居の制作を命じられた嵩(北村匠海)は、健太郎(高橋文哉)と夜を徹して紙芝居を完成させる。出来上がったのは、いっぷう変わったオリジナルの物語だった。
第12週のタイトルは「逆転しない正義」で、『あんぱん』の核心エピソードに入る。地元民から反感を買わず、老若男女が喜ぶものというオーダーに答えてできたのが紙芝居『双子の島』だった。

はなればなれに育った双子が食料をめぐって争いになるが、互いがそっくりなことに気づき、けんかをやめて仲良く暮らすというストーリーは、やなせたかしが戦地で作った紙芝居『双生譚』を下敷きにしている。物語上は、父の清(二宮和也)が手帳に書きとどめた言葉「東亜の存立と日支(日中)友好は双生の関係である」から着想を得たものだった。
八木(妻夫木聡)の力添えもあって、嵩の紙芝居は上官の審査に合格。護衛付きで上演された紙芝居は、地元の人々から喝采をもって迎えられた。これには裏があって、通訳が勝手に日本軍の悪口を交えて翻訳し、人々がそれを聞いて留飲を下げたためだった。

意図したのとは違う方向で成功を収めたことを嵩は「これでよかった」と言い、「一緒に笑えた方が自分はいいと思う」とその理由を語った。紙芝居がうまくいったことで、嵩は宣撫班の絵画制作主任に任じられ、健太郎はその補佐を命じられた。





















