『あんぱん』千尋との再会が“逆転しない正義”誕生に繋がる? 『アンパンマン』ネタまとめ

『あんぱん』“アンパンマン”関連ネタまとめ

 NHK連続テレビ小説『あんぱん』は、国民的アニメ『それいけ!アンパンマン』(以下、アンパンマン)の生みの親である漫画家・やなせたかし(本名:柳瀬嵩)と、その妻の小松暢夫妻の半生がモデルの物語。戦前、戦中、戦後の時代を生き抜き、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』を生み出すまでの愛と勇気の物語を描いており、作中に『アンパンマン』を彷彿とさせる要素が随所に登場している。本稿では、第7〜11週にかけての『アンパンマン』に関する小ネタを紹介する。

 大きなトピックといえば、やはり『アンパンマン』でばいきんまんの声優を務める中尾隆聖が出演したこと。第8週「めぐりあい わかれゆく」第36話に初登場した中尾は、のぶ(今田美桜)が教師として採用された母校・御免与尋常小学校の校長・古山時三役を演じた。

 本作に『アンパンマン』の声優が出演するのは、しょくぱんまん役の島本須美、チーズ役・山寺宏一に続いて3人目。SNS上では視聴者の「ばいきんまんキター!」「中尾さん……いい声だ」「朝からテンション上がった!!」という喜びの声が多く上がった。

 なお、『アンパンマン』声優ではないものの、津田健次郎の出演も決定している。これだけ声優が相次いで出演しているのだから「アンパンマン役の戸田さんも絶対出演してほしい」「戸田さんの出演求!」と、アンパンマン役の声優・戸田恵子の出演を期待するコメントも多数見受けられた。

『あんぱん』はなぜ“戦争”を丹念に描くのか 制作統括が込めた“変わらない正義”への問い

NHK連続テレビ小説『あんぱん』が現在放送中。“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと暢夫婦をモデルに、何者でもなかった2人が…

 さらに、第54話では、千尋(中沢元紀)から「何のために生まれて、何をして生きるがか、わからんまま終わるらあて、そんながは嫌じゃ」と発言する場面があった。これは『アンパンマン』の主題歌「あんぱんまんのマーチ」の歌詞〈なんのために生まれてなにをして 生きるのかこたえられないなんてそんなのは いやだ!〉にあたる。

 この「何のために生まれて、何をして生きるのか」というセリフは、『あんぱん』に何度も登場してきた。これまでは寛(竹野内豊)が嵩(北村匠海)を鼓舞し、励ますために使われてきたセリフだったが、第54話では、3年ぶりに再会した嵩に対して、千尋が「この戦争さえなかったら! 愛する国のために死ぬより、わしは……愛する人のために生きたい!」と生にしがみつくセリフとともに使われていた。

『あんぱん』が突きつける戦争が潰した可能性の数々 千尋よ、“愛憎劇”でいいから生きろ

「軍隊は大きらい、だけど」。「大きらい」のあとに「だけど」がつくのはなぜだろう。朝ドラことNHK連続テレビ小説『あんぱん』第11…

 海軍の士官となり、駆逐艦に乗り、敵の潜水艦に爆雷を投下するため戦地へ向かう千尋。これまでも、嵩に気を使ってのぶへの恋慕を明かせない描写などがあった。そんな彼を抱きしめながら言った嵩の言葉通り、千尋には必ず生きて帰って来て、お国のためではなく自分の人生を生きてほしいと強く思う。

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