白石晴香、島袋美由利、白砂沙帆ら三者三様の演技　2025年春アニメで活躍した女性声優たち

白砂沙帆

　白砂沙帆は、2020年からマウスプロモーションに所属している若手声優。『アポカリプスホテル』がテレビアニメ初主演作となるが、新人とは思えないほどの演技力を披露していた。

　同作は人類がいなくなり、長い時間が経った後の地球が舞台。東京・銀座にあるホテル「銀河楼」では、従業員のロボットたちが人類の帰還を待ち続けていた。そこにさまざまな宇宙人が訪れ、ユーモラスな異文化交流が繰り広げられていく。

　白砂が演じる主人公のヤチヨは、従業員たちを率いてホテルを運営するホテリエロボットだ。人間と近い見た目をしているが、中身は紛れもないロボットで、淡々とした無機質な話し方が特徴となっている。

　しかしその一方、ヤチヨは大切なホテルのためなら人間のような喜怒哀楽を見せることも。第3話ではタヌキ星人の一家によってホテル内を好き放題に荒らされてしまい、絶叫しながらパンチを繰り出し、ほとばしる怒りを言葉にしていくシーンが描かれていた。

　いわば“人間味があるロボット”というややこしいキャラクター像だが、白砂はそれを巧みに表現している。ほかにもハイテンションで飲み会のコールをかけたり、グレてスケバンになったりとさまざまな顔を演じ分けていて、見事というしかない。

　なお今期のアニメでは、白砂は『ロックは淑女の嗜みでして』にも出演中。主人公の妹・愛莉珠役で、“ツンデレ”風の演技を見せてくれている。

【番外編】釘宮理恵

　主役級のキャラクターではないため番外編としたが、釘宮理恵が『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』で演じているタマキ・ユズリハ役にも触れておきたい。

　タマキは主人公であるアマテ・ユズリハ（CV.黒沢ともよ）の母親。釘宮といえば数々の作品でメインヒロインを演じてきたキャリアがあり、“ヒロイン声優”の代表格とも言える存在だが、今作では思春期の主人公を見守る母の役を演じている。その言葉の端々には、大人としての責任感や苦労がにじんでおり、さすがの演技力だ。

　しかも釘宮は同作でハロ役も兼任しており、ユニークなロボット音声も聴くことができる。

　今回はわずかしか取り上げられなかったが、ほかにも『LAZARUS ラザロ』クリスティン役の内田真礼や『ウマ娘 シンデレラグレイ』オグリキャップ役の高柳知葉など、さまざまな女性声優が活躍を見せていた。夏クール以降のアニメでは、どんな才能が頭角を現わしてくるのか楽しみだ。

■放送情報
『アポカリプスホテル』
日本テレビ系にて、毎週月曜25:34〜放送
各配信プラットフォームにて配信
キャスト：白砂沙帆（ヤチヨ役）、諸星すみれ（ポン子役）、東地宏樹（ドアマンロボ役）、三木眞一郎（環境チェックロボ役）、木下浩之（オーナー役）、チョー（ブンブク役）、本田貴子（マミ役）、田村睦心（フグリ役）、榊󠄀原良子（ムジナ役）
原案：ホテル銀河楼 管理部
監督：春藤佳奈
キャラクター原案：竹本泉
シリーズ構成・脚本：村越繁
キャラクターデザイン ：横山なつき
美術監督：本田こうへい
色彩設計：砂子美幸
3D監督：中野祥典
撮影監督：岡﨑正春
編集：神宮司由美
音楽：藤澤 慶昌
音響監督：飯田里樹
音響制作：dugout
音楽制作協力：SCOOP MUSIC
アニメーション制作：CygamesPictures
製作幹事：サイバーエージェント
オープニング主題歌：aiko「skirt」
エンディング主題歌：aiko「カプセル」
©アポカリプスホテル製作委員会
公式サイト：https://apocalypse-hotel.jp
公式X（旧Twitter）：＠Apo_Hotel（https://x.com/Apo_Hotel）