白石晴香、島袋美由利、白砂沙帆ら三者三様の演技 2025年春アニメで活躍した女性声優たち

2025年春アニメで活躍した女性声優たち

 2025年春クールのアニメも、そろそろ終盤。今期は『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の鶴巻和哉監督、『LAZARUS ラザロ』の渡辺信一郎監督、『前橋ウィッチーズ』のシリーズ構成・脚本を手がけた吉田恵里香など、豪華クリエイター陣が注目を集めていた印象だ。

 しかしその一方、声優陣も負けてはいなかった。今回は目覚ましい活躍を見せた3人の女性声優を取り上げ、それぞれの演技について振り返っていきたい。

白石晴香

 白石晴香は『ゴールデンカムイ』のアシリパ役や『ぼくたちは勉強ができない』の古橋文乃役など、幅広い役柄を演じてきた声優。今期は『九龍ジェネリックロマンス』の鯨井令子役で、その実力を遺憾なく発揮してみせた。

『九龍ジェネリックロマンス』テレビアニメ第2弾PV

 同作は、九龍城砦のレトロな街並みで繰り広げられるミステリー・ラブロマンス。白石演じる主人公の鯨井令子は不動産屋で働いている女性で、先輩社員の工藤発(CV.杉田智和)に想いを寄せている。しかし工藤にはかつて自分とそっくりな婚約者がいたということを知り、九龍城砦に隠された謎に飲み込まれていく……。

 令子は32歳という設定で、工藤はそれよりも年上。恋愛アニメでは珍しい大人同士のロマンスを描いているのが、同作の特徴だ。しかしその一方、令子は過去の記憶を持っていないという設定もあり、純粋無垢な性格で、工藤とのやりとりに一喜一憂しながら物語が進んでいく。

 今作の白石は、そんな“大人でありながら少女のようにピュア”という役柄を熱演。透明感のある声質を活かしつつ、低めの落ち着いた声で演技することで、ハマり役となっている。とくに恥じらいつつも勇気を出して工藤にアプローチする場面の質感は、破壊力抜群だ。

島袋美由利

 続いて、島袋美由利にも注目したい。島袋は『ゆらぎ荘の幽奈さん』の湯ノ花幽奈役や『ちいかわ』のシーサー役などで有名な声優だが、今期放送の『ロックは淑女の嗜みでして』ではド迫力の演技を見せ付けている。

 同作は「お嬢様×ロック」という斬新な題材の青春ロックアニメ。一流のレディだけが通えるお嬢様学校にて、主人公の鈴ノ宮りりさ(CV.関根明良)を始めとしたキャラクターたちがロックに打ち込んでいく物語だ。

 そこで島袋が演じている黒鉄音羽は、多くの生徒たちが憧れる完璧なお嬢様。清楚な見た目に違わず、おしとやかな性格で、普段は上品な話し方をしている。しかし演奏に熱中すると性格が一変し、本能剥き出しで下品な言葉を連発していく。

 島袋は鈴の鳴るような声でお嬢様モードの音羽を演じつつ、ドスの効いた荒々しい声でロックンローラーモードを表現。たとえば第1話では、りりさに向かって「つまんねえな! テメェのギターは!」「この不燃ごみが!」と叫ぶようにまくし立てる場面があり、強烈なインパクトを残した。

 ちなみに島袋は前クールの『チ。ー地球の運動についてー』では、合理的でクールな少女・ドゥラカの役を演じていた。その演技と比べると、なおさら音羽役のギャップが際立つように感じられる。

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