『VIVANT』残されていた謎&圧倒的映像美を振り返る ベキは生存? Fの正体は?

2023年に一大旋風を巻き起こした日曜劇場『VIVANT』(TBS系)が、3年ぶりにTBSの連続ドラマ枠に帰ってくる。

主演・堺雅人×監督・福澤克雄の最強タッグそのままに、再び日曜劇場へと凱旋する詳報を聞いて歓喜したファンも多いのではないか。それほど謎が謎を呼ぶ予測不能なストーリーと、リアルタイムで更新されていく衝撃展開は、いまだにドラマを観ていた人々の記憶に鮮明に残っている。物語の中盤になっても中だるみすることなく、最終回の世帯平均視聴率は19.6%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録するなど、最後の最後まで視聴者の興味を惹きつけていたことも印象的だった。
そんな日曜劇場『VIVANT』続編が、2026年に放送されることが発表された。主演を務めた堺雅人の「何かの形でまた乃木憂助という人物を演じてみたいです」(※1)という念願が叶ったかたちでもあり、ほかの豪華キャスト陣の続投にも期待してしまうのは、きっと筆者だけではないだろう。
さらに『VIVANT』の制作陣と言えば、プロデューサーの飯田和孝や演出の宮崎陽平など、その後も『アンチヒーロー』(2024年/TBS系)や『御上先生』(TBS系)など、話題作を連発しているのは周知の事実。今回の続編においても同じチーム体制で挑むことが予想され、その期待は高まるばかりだ。

前作に続いて海外ロケが敢行されることもすでに決定している。「超親日国」「面白い神話のある国」という福澤監督の言葉から(※2)、ロケ地を特定しようとする視聴者の口コミもすでに観測されており、根強い人気の高さと視聴者の“謎”への飢えがうかがえる。前作のロケ地であるモンゴルとはまた異なった環境と風土が残る土地での撮影になると思われるが、雄大な自然が映された映像はそのままに、日本では見られない新鮮な光景が確かに映し出されるはずだ。
本記事では、来年放送となる続編に向けて『VIVANT』のあらすじと魅力を振り返りたい。
主人公は丸菱商事に勤める社員の乃木憂助(堺雅人)。誤送金された130億円を取り戻すべく、送金先であるバルカ共和国へ向かった乃木は現地で爆発事件に巻き込まれた挙句、爆破犯に間違えられてバルカ警察に追われることになってしまう。その後、現地で出会った公安警察の野崎(阿部寛)と医師の薫(二階堂ふみ)の協力もあり、バルカを脱出して日本へ帰還したあと、誤送金事件の犯人を突き止めることにも成功するが、なんと乃木の正体は、自衛隊直轄の非公認組織「別班」の諜報員だった。そこから、国際的なテロ組織“テント”とそのリーダーであるノゴーン・ベキ(役所広司)に迫る乃木は、自らの残酷な運命に立ち向かいながらも、「別班」としての任務を遂行していく。
『VIVANT』と言えば、キャラクター人気が高いことでも知られている。主人公の乃木や公安の野崎はもちろんのこと、脇を固めるサブキャストが脇役にとどまらない人気を博していたのも大きな特徴だ。敵味方関係なく個性的なキャラクターが数多く登場するなかで、野崎の相棒として活躍するドラム(富栄ドラム)や乃木たちを爆破犯として追うバルカ警察のチンギス(Barslkhagva Batbold)などは、誰もが自然と好きになってしまう魅惑的な芝居を見せてくれた。
そして『VIVANT』がここまで話題となったのは、やはり圧倒的な“スケール”に違いない。ドローンを遺憾無く活用した壮大な映像や、細部まで凝らされたセットの数々はもちろん、現地の人々も交えた膨大な数のエキストラは、日本の民放連続ドラマとしては異例中の異例。2カ月半のモンゴルロケによって撮影された、3000頭の羊と山羊の大群や、縦列されたパトカーの上を走って日本大使館に飛び込んでいくカーアクションなど、とにかく「今まで観たことのない映像を世界基準で撮る」という気概がドラマの随所から感じられる作品だった。
続編のスケール感にも期待が高まるなか、今後、もっとも注目を集めることになるのは、今だに多くの伏線がちりばめられたストーリーに関してだろう。





















