『あんぱん』第11週はまるで『フルメタル・ジャケット』? 謎に包まれた八木の真意

『あんぱん』嵩が健太郎と運命的な再会

 『あんぱん』(NHK総合)第52話が6月10日に放送された。靴磨きをする嵩(北村匠海)の前に現れた兵士は健太郎(高橋文哉)だった。銀座の街で別れて以来の再会となった。

 半年前に入隊した健太郎は炊事斑に配属。「炊事場はまるで戦場ったい」とぼやく健太郎は「軍隊は頑張らんやつには死ぬよりつらかよ。頑張ればそれなりによかとこばい」と先輩の持論を述べる。まさか図案科の「ワッサリン」を小倉連隊で聞けるとは思わなかったが、とにかく二人が生きて再会できたことは朗報だった。

 3カ月が過ぎ、嵩は神野班長(奥野瑛太)の当番を務めることになった。八木(妻夫木聡)の指示である。周囲と異質な雰囲気を放ち、特別扱いの八木は謎に包まれたキャラクターだ。健太郎によると、「変わりもんで有名」な八木は大卒のインテリだが、幹部候補生の試験を受けず、そのため階級は上等兵どまり。金鵄勲章を持っている、特務機関から来たとも噂されるが真偽は不明。金鵄勲章は軍功を挙げたものに与えられる勲章である。

 八木が怖れられる理由について、健太郎は「階級よりメンコん数が優先される」と説明。メンコは年数のことで、4年以上いる八木は周囲から一目置かれているのだ。健太郎は八木に気をつけるように言うが、八木のおかげで嵩は島中隊長(横田栄司)の前で軍人勅諭を暗唱し、幹部候補生登用の機会を得ることができた。

 八木は嵩を幹部候補生試験の勉強に専念させつつ、「受かるしか道はない」とプレッシャーをかける。試験前日、嵩は厩舎の不寝番をしながら勉強するが眠りこけてしまい、試験は受けられないと言われてしまった。

 規律と上下関係を重んじる軍隊に嵩は明らかになじめていないのだが、どうにか脱落せずにすんでいるのは八木の存在が大きい。笑顔を見せない八木だが、新兵の嵩を気にかけて陰に陽に見守っている。嵩と八木には読書以外に接点がなく、真意が気になるところだ。

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