『キャスター』“進藤”阿部寛がキャスター生命の危機 ラスボス登場で43年前の扉が開く

『キャスター』(TBS系)第9話は、報道に命をかける人間の生きざまを映し出した(※本記事ではドラマ本編の内容に触れています)。
進藤(阿部寛)が羽生官房長官(北大路欣也)から2000万円の官房機密費を受け取った週刊世潮の記事は、本橋(道枝駿佑)のリークではなかった。43年前に起きた自衛隊C1輸送機墜落事故の真実を隠ぺいしようとする何者かがデータを入手し、進藤を陥れようとしたのだ。
進藤はプロデューサーの山井(音尾琢真)と、山井の父で原子力燃料再処理センター所長だった和雄(山本學)の部屋を探索。山井の手帳には43年前の出来事が記されており、そこには進藤の父で記者だった松原哲(山口馬木也)の名前と、別の人物の関与を示唆する記述があった。手がかりを求めて、進藤と華(永野芽郁)は芦根村の食堂へ向かった。一足早く到着した山井は、そこで笑顔の和雄の写真を見つける。直後に何者かが窓からライターを投げ入れた。
権謀術数を駆使する進藤と実直な山井は、報道人として対照的なキャラクターに見えなくもない。しかし、実は二人は同じ信念を共有していたと思う。真相を追求すること、多くの人にニュースを届けること。だからこそ、芦根村出身でありながら山井は進藤に協力したのであり、報道が「生き方そのもの」である一点において、進藤と山井は共鳴していたと言える。
山火事のとき和雄が発見されたのは芦根山の山中。景山重工が管理する土地に何かを隠すため、事実を偽っていたと考えられた。現センター長の江上(井上肇)は追及の手を逃れるため、輸送車でその中身を運び出そうとする。進藤たちは、二手に分かれて輸送車を追跡する。そこに現れたのは、景山重工会長の景山英嗣(石橋蓮司)とJBN編成部の滝本真司(加藤晴彦)。輸送車には、第三国へ輸出する希少価値の高い物質が積まれていた。
スポンサー企業に「汚いカネはいりません」とキー局のドラマで言わせるのは、勇気がいることだったろう。損得を度外視して、メディアが貫くべき正義を明らかにする重みのある言葉だった。進藤がつかんだのは和雄と松原、現JBN会長の国定(高橋英樹)の関係である。そこには景山と故人である羽生官房長官の影もちらつく。しかし、肝心のところがわからない。

























