松本まりかの“怪演”を鈴木おさむ脚本が引き出す? 『奪い愛、真夏』が再び描き出す狂気

過去作で“怪演女優”としてシリーズの象徴的存在となってきた松本。だが、本作ではいよいよ彼女が中心に立つ。かつてスキャンダルを追っていた週刊誌記者・真夏。仕事にも人間関係にも疲弊し、過去の不倫で人生を見失いかけていた彼女が新たな職場で出会うのは、元恋人に瓜二つの既婚者・空知時夢(安田顕)だった。不倫を暴いていた側の人間が、自らも不倫に堕ちていくというジレンマを抱えた真夏という役に対し、松本自身も「とてもリアルな役」と語っており、これまで以上の没入度で臨んでいるという(※)。彼女の演技が、“狂気”と“痛み”の狭間にあるこの物語の中で、どんな色に変化していくのか注目したい。
物語の鍵となるのは、時夢という存在。彼を演じる安田顕は、シリーズ初登場にして“モテ男”役という新境地に挑む。既婚者でありながら真夏に惹かれていく複雑なキャラクターを、彼がどのように構築するかが見どころの一つだ。また、真夏の亡き母の形見である「逆回転する時計」が、ある瞬間から動き出すというミステリアスな要素も盛り込まれる。現実と非現実が入り混じるような演出は、シリーズが得意とする非日常における侵食を象徴している。
同シリーズがここまで熱狂的な支持を集め続けてきた理由は、決して奇抜さだけではない。『奪い愛』には、どこか人間の“本音”が剥き出しになる瞬間がある。みっともなくて、切実で、でもどこか笑える。そんな感情の入り交じったカオスを、視聴者は無意識に求めているのかもしれない。今作『奪い愛、真夏』は、松本まりかと鈴木おさむという“奪い愛”の核を担ってきた二人が、ついに“表”と“裏”から物語を牽引する一作となる。禁断の恋、過去との邂逅、狂気と混乱。すべてが錯綜するこの物語において、誰が正気を保ち、誰が壊れていくのか。視聴者はその行方を、ただただ固唾を飲んで見守るしかない。
参照
※ https://realsound.jp/movie/2025/06/post-2046970.html
■放送情報
金曜ナイトドラマ『奪い愛、真夏』
テレビ朝日系にて、7月スタート 毎週金曜23:15~24:15放送
出演:松本まりか、安田顕
脚本:鈴木おさむ
演出:樹下直美、上田迅
ゼネラルプロデューサー:横地郁英(テレビ朝日)
プロデューサー:川島誠史(テレビ朝日)、神通勉(MMJ)、小路美智子(MMJ)
音楽:沢田完
制作:テレビ朝日、MMJ
©テレビ朝日
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