『あんぱん』加瀬亮&竹野内豊が“父親”に起用された意図を考える 初の朝ドラで残した余韻

『あんぱん』加瀬亮と竹野内豊を起用した狙い

 のぶの父親を演じた加瀬亮は、北野武監督の映画『アウトレイジ』(2010年)や『首』(2023年)、海外映画への出演など、どちらかといえば映画俳優という印象が強い。とはいえ、主演したドラマ『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』(TBS系)の瀬文役では、カルト的な人気を誇っており、今でもファンが多い。

 加瀬は、浅野忠信に憧れて同じ事務所に自ら応募し、最初は浅野の付き人だったという逸話があるが、父に大学卒業時に役者になりたいと告げた時には、大反対されたという。その経験は、『あんぱん』の結太郎の役作りにも生かされたようだ。

 幼少期ののぶ(永瀬ゆずな)に「女子(おなご)も大志を抱け」という言葉をかける結太郎だが、自身が父・釜次(吉田鋼太郎)の意向に背いて商事会社で働いて自分の夢を追っていることから「(父に)きっと何度も何度もお願いしたと思うんです」「そのような自分の経験から、子どもにも『ああしろ、こうしろ』とは言わない。子どもたちにも『遠慮はするな』と言ってあげられる父親なのかなと思って演じました」と、『あんぱん おたのしみブック』で語っている。

 また、「僕は何事にも遅いタイプ」と言い、明るく元気な朝ドラの中で、「穏やかな人」としての役割を意識していたとも話す加瀬。熱い野心と反骨精神を持ちながら、人柄としては穏やか。結太郎は、まさに加瀬亮その人のような役柄だったのだ。

加瀬亮がついに朝ドラ降臨 『あんぱん』ヒロインの父として見せるあたたかな眼差し

いよいよ始まったNHK連続テレビ小説『あんぱん』。本作は、“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと暢の夫婦をモデルに、生きる意…

 50代になってイケオジ代表となった竹野内と、レアキャラでありながら深い印象を残す加瀬。2人の朝ドラ初出演は、視聴者から歓喜を持って迎えられ、その退場には余韻が長く残りそうだ。

参照
https://with.kodansha.co.jp/article/interview-yutakatakenouchi-1

■放送情報
2025年度前期 NHK連続テレビ小説『あんぱん』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:今田美桜、北村匠海、加瀬亮、江口のりこ、河合優実、原菜乃華、細田佳央太、高橋文哉、中沢元紀、大森元貴、志田彩良、二宮和也、瀧内公美、山寺宏一、戸田菜穂、浅田美代子、吉田鋼太郎、竹野内豊、阿部サダヲ、妻夫木聡、松嶋菜々子
音楽:井筒昭雄
主題歌:RADWIMPS「賜物」
語り:林田理沙アナウンサー
制作統括:倉崎憲
プロデューサー:中村周祐、舩田遼介、川口俊介
演出:柳川強、橋爪紳一朗、野口雄大、佐原裕貴、尾崎達哉
写真提供=NHK

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる