稲垣吾郎、“実年齢役”での民放連ドラ復帰に高まる期待 令和の時代にこそ映える存在感

磯村勇斗が主演を務め、堀田真由と稲垣吾郎が共演する新ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』が、7月期のカンテレ・フジテレビ系の月10ドラマ枠で放送されることが決定した。本作は、少子化による共学化の波に揺れる私立高校を舞台に、派遣されたスクールロイヤーが若者たちの悩みに向き合っていく学園ヒューマンドラマ。民放連続ドラマ初主演となる磯村に加え、稲垣吾郎が約9年ぶりに民放の連ドラに出演することも大きな話題となっている。
磯村勇斗、民放連続ドラマ初主演でスクールロイヤー役に 共演に堀田真由&稲垣吾郎
磯村勇斗が主演を務め、堀田真由と稲垣吾郎が共演する連続ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』が、7月期のカンテレ・フジテレビ…稲垣が演じるのは、男女別学だった学校の統合を提案し、学院の再建に取り組む学校法人の理事長・尾碕美佐雄(51歳)。経営者としての冷静な判断力と、かつて教師を志していた頃の理想との間で揺れる人物像が描かれる。

そんな稲垣の民放連ドラ復帰について、これまで稲垣の取材にも携わってきたライターの佐藤結衣氏は、次のように語る。
「『ついに民放連ドラでの稲垣さんの姿がまた見られる時が来たか』と、率直に嬉しく思いました。映画や舞台ではずっと活躍されていましたが、民放連ドラとなると視聴者層もまた異なります。そうした場で、これまで培ってきた重厚な演技が見られるというのは、まさに『待ってました!』という感じです」
2016年にSMAP解散後、2017年9月に草彅剛、香取慎吾とともに“新しい地図”を広げた稲垣。一時は、地上波放送への出演そのものが遠のいていた。しかし、2023年にはカンテレ・フジテレビ系で草彅が主演ドラマ『罠の戦争』で民放連続ドラにカムバック。そして、2025年1月には香取も『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』で実に11年ぶりにフジテレビの連続ドラマ主演を果たしたことで、また新たな流れができたように感じたと佐藤氏。
「舞台や映画、そしてネットでの活躍とこれまでにない挑戦を続けてきた3人。この期間があったからこそ磨かれた表現力もあったと感じています。草彅さんも、香取さんも、民放ドラマに復帰したことで、多くの視聴者に『やはりスターだ』と言わせる演技を見せつけてくれました。そして次は稲垣さん。多くの人の目に触れる民放ドラマという場に稲垣吾郎という俳優がどんなインパクトを残すのか、とても楽しみです」
これまでの取材を通じて感じた稲垣の人柄について、佐藤氏は「実際にお会いすると大人な落ち着きと会話で楽しませてくれる、柔らかい空気をまとっている方」と語る。ワインや音楽などに通じ、“自分の美学を持った人”という印象もある稲垣だが、同時に、場の空気を和ませようとするホスピタリティにあふれた人物でもあるという。今回の出演に際しては、「50代の稲垣吾郎にしか表現できない役柄」と強く感じたそうだ。
「稲垣さんは、NHKのドラマや映画では影のある人物を演じることが多い印象ですが、舞台『多重露光』や映画『半世界』などではちょっぴり情けなくも、どこか憎めないキャラクターも印象的に演じてこられました。今回のドラマでは、これまでの役柄のグラデーションの中で、民放連ドラにおける吾郎さんの新たな立ち位置が垣間見えるのではないかと期待しています」
稲垣が本作で演じるのは、男女別学だった高校の合併を提案する理事長役。50代という人生の節目を迎えた今の稲垣だからこそ、その内面にある葛藤や柔軟さをリアルに投影できると佐藤氏は続ける。
「俳優としての新しい地図の3人をあえてわかりやすくたとえるなら、香取慎吾さんは、自らの個性=香取慎吾を前面に出しながら、まるで太陽のように作品全体を明るく照らす存在。草彅剛さんは、まさに憑依型で、作品ごとにまったく違う顔を見せてくれる予想できない存在。では、稲垣さんはどうかというと、昼も夜も静かにそこにいてくれる“月”のような安心感のある存在なんです。時代に応じて形を変える柔軟さがありながら、そこにいるのは変わらずに“稲垣吾郎”でありつづけるという存在感を放つ。今の時代って、あらゆる多様性が重視される一方で、大人が大人になりきれなかったり、子どもが子どもらしく振る舞えなかったりと、どこかちぐはぐな感覚が漂っているように思います。ある意味で目指すべきものを見失いがちな時代だと思うんです。そんな現代において、自分の軸をぶらさず、それでいて時代にしなやかに対応していく中立で冷静な眼差しを持つ稲垣さんの存在感が、令和の視聴者にとっても非常にフィットするんじゃないでしょうか」





















