『恋は闇』“謎の女性”齋藤飛鳥の意味深な言葉 大和田の衝撃的な死で混沌とした状況へ

『恋は闇』齋藤飛鳥が発した意味深な言葉

 5月21日に放送された第6話から後半戦へと突入した『恋は闇』(日本テレビ系)。前回、設楽(志尊淳)が採血の練習をしていたことやホストクラブで働いていた時代に常連客に“血”をねだっていたことなど、被害者の血液が採取された“ホルスの目殺人事件”の犯人像と合致しそうな気味の悪い噂を耳にした万琴(岸井ゆきの)。そこで彼の留守中にこっそりと家へと忍び込むのだが、そこで謎の女性(齋藤飛鳥)と遭遇することとなる。

 まずこの謎の女性――設楽は彼女のことを“みくる”と呼んでいた――の素性については、少なくとも今回のエピソードでは判然としない。設楽の生い立ちを調べあげている小峰(白洲迅)によれば、戸籍上では設楽に姉や妹などはおらず、住民票の上でも一人暮らしとなっているという。万琴の職場に突然現れたみくるは、これ以上設楽に関わらないようにと忠告をする。そして万琴が設楽との関係を訊ねると、彼女は「共犯者」と答える。「あなたはこっちに来る覚悟があるんですか?」という言葉も添えて。

 当然のように、女性と一緒に住んでいるという極めて重要な情報を隠していたということをめぐって設楽と万琴の関係は破局の方向へともつれ込むわけで。これまで設楽が“ホルスの目”の犯人であると示すようなことがあっても、違うと信じ込んできた万琴にとって、ニュートラルな視点で事件に向き合うチャンスが訪れると思わせて、そうはならない。惚れた弱みというやつか、あるいは設楽の“人たらし”の才能というやつか。いずれにしても、この恋愛面における複雑化と相まって、“ホルスの目”をめぐるミステリーの部分もさまざまな謎が立て続けに浮かび上がる、まさに混沌とした状況へと突入するのである。

 夏八木(望月歩)から鑑識の松岡(浜野謙太)が副総監の甥で、血に関わる事件にやたらと詳しく、過去には問題行動を起こしたこともあるという話を聞く万琴。きちんとした裏取りができていないことから、それを報道することを蔵前(西田尚美)に止められてしまう。また、引き続き設楽に疑いの目を向ける小峰は大和田(猫背椿)から、10年前に殺された設楽の母・久美子(紺野まひる)がC型肝炎のキャリアであり、設楽にも母子感染している可能性があると教えられる。仮にそうであり、かつ設楽が犯人であるとすれば、被害者の血液が持ち去られているのは、健康な血液に執着しているからと推論づける。これらは今後なにかしらのかたちで機能する情報かもしれない。

 そして今回のエピソードの肝となるのは、一件目の事件の被害者の夫と独自にコンタクトをとった木下(小林虎之介)が担当することになる取材の一連であろう。報道内容が勝手に切り取られ、その被害者の夫がネット上で犯人扱いされる騒動にまで発展する。木下から相談を受けた設楽が言う「誰かがストーリーを作れば、それが真実みたいな顔をして一人歩きする」という言葉は、先述の松岡の件の際に蔵前が万琴に言う「一度世の中に出てしまった言葉は取り消すことはできない。私たちの手から離れてどんどん巨大化していく可能性がある」と同義であろう。あくまでも報道する側の矜持に触れる部分ではあるが、これらの言葉を踏まえると、なんだかここまで描かれてきた事件をめぐるあらゆる疑念がほとんどミスリード(=すなわち設楽か、それ以外の誰かに踊らされているだけ)なのではないかと思えてしまう。

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