アニメだからこそ描けた“地獄”とは? 今掛勇監督が『ドラゴン・ハート』に込めた思い

小林裕介、廣瀬千夏、千葉繁ら名声優陣が果たした役割

ーーキャラクターが今までの作品のようなスタイリッシュでアニメ的なデザインから、児童漫画に登場するような普通の少年少女といったデザインになっています。こうしたデザインを選んだ理由は?
今掛:なじみやすさですね。今回の映画は、竜介や知美のような中学生も含む若い年齢の方に観てもらいたいということがありました。あとは、龍に乗って冒険の旅をするようなアグレッシブな動きも見せたかったので、アニメーターが描きやすいシンプルなものにしたこともあります。2人が乗る龍のデザインとの一体感も考えました。

ーーその龍ですが、西洋のドラゴンのように羽根があって独特でした。閻魔大王も伝統的な装束とは違ったスタイルを見せてくれて楽しめました。
今掛:龍については、いつの頃からか穴吹川にいる龍というというものを想定しながら、高越寺に彫られている龍や、ほかのいろいろな龍に関係する文献等を参考にして、オリジナルでデザインしました。閻魔大王は、東京都内では太宗寺(新宿)に祀られているもの等が知られていますが、そうしたスタイルも使いつつ大川総裁から教えていただいた現代ならではの閻魔大王というアイデアも入っています。昔ながらの恐ろしげな閻魔大王に地獄に行けと言われると、ショックを受けてしまう人が今はいるかもしれません。そういう人にも受け入れてもらえるデザインです。

ーーあまりに大勢の罪人を裁きすぎて疲れてしまって、ちょっとイメチェンをしてみたといったような心情も感じられるデザインでした。
今の地球の総人口が約80億人です。ストーリーの流れでは、その半分以上が地獄に来ているとなると、閻魔大王も大変かなあと思ってしまいます。嫌になるとか諦めてしまうといったことを閻魔大王はしませんが、この作品でも描かれている、霊的真実を知らない人類に対するいろいろな思いというものが現れた格好なのだと思います。
ーー出演されたキャストの方々についても教えて下さい。竜介は小林裕介さんで知美は廣瀬千夏さんです。
今掛:小林裕介さんは、オーディションで声を聞いた時に、お兄さん役として非常に頼もしい声をしていたんです。竜介には男の子らしさというものを求めていたので、そういった部分も感じられて選びました。知美役の廣瀬さんは、こちらは妹っぽい声だったこともありますし、竜介についていくという感じもあってお願いしました。アフレコの現場でも小林さんについていって、小林さんがリードするような感じがあったのがとても嬉しかったですね。

ーー天日鷲命は千葉繁さんです。
今掛:千葉繁さんは本当にありがたかったですね。天日鷲命を演じていただいた時に、どこかユニークな感じを醸し出しているんです。決して重すぎず、かといって軽すぎないところが、竜介と知美を優しく導いているような感じでとても良かったです。ほかの方々もベテラン揃いで安心してお願いできました。ビシュヌ神役の三木眞一郎さんとアデプト役の武内駿輔さんはとても贅沢な使い方をさせていただきました。三木さんはビシュヌ神のとても重要な台詞を演じられる人はほかにいないと思ってお願いしました。

ーー最後に改めて、この『ドラゴン・ハート―霊界探訪記―』をどのような人たちに観てもらい、どのように受け止めてほしいと思っていますか?
今掛:たくさんの方に観ていただきたいなと思っています。竜介や知美のような若い子どもたちも高齢者の方も含めてですし、人種も問わず世界中の人に見ていただければ嬉しいです。この作品は、竜介と知美によるひと夏の霊界探訪記という思い出を描いたものです。観ていただいた方に、そういった体験をしてもらえる作品です。ちょっと不思議な体験をして、これからの自分の人生にとっての導きになればいいと思っています。
■公開情報
『ドラゴン・ハート-霊界探訪記-』
5月23日(金)全国公開
製作総指揮・原作:大川隆法
声の出演:小林裕介、廣瀬千夏、千葉繁、小村哲生、深見梨加、浅野真澄、武内駿輔、三木眞一郎
監督:今掛勇
脚本:「ドラゴン・ハート-霊界探訪記-」シナリオプロジェクト
音楽:水澤有一
製作:幸福の科学出版
アニメーション制作:HS PICTURES STUDIO
配給:日活
配給協力:東京テアトル
©︎2025 IRH Press
公式サイト:https://hs-movies.jp/dragon-heart/






















