芳根京子と本田響矢が月をバックに初キス 『波うららかに、めおと日和』新婚旅行で急接近

初回から多くの視聴者をムズキュンさせ、早くも話題沸騰中のドラマ『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)。本作は、交際ゼロ日婚を果たしたなつ美(芳根京子)と瀧昌(本田響矢)のもどかしくも愛おしい新婚生活はもちろんのこと、美術や衣装も見どころの一つだ。当時の暮らしぶりや流行が緻密に再現されており、昭和初期にタイムスリップしたかのような感覚を味わえる。
その時々の生活様式や文化に若者の恋愛事情も大きく左右されるもの。第2話では、なつ美と瀧昌が新婚旅行に出かけるが、現代にはないドキドキと感動に溢れていた。
帝国海軍に勤める瀧昌は新婚早々、任務でしばらく家を空けることに。2カ月後、瀧昌の帰りを待つなつ美の元に電報が届く。その内容は「明後日帰る」というもので、ホッと一安心。海軍の船が到着する港町で2人は落ち合うことになった。

母屋に住む郁子(和久井映見)は「新婚旅行ね! おめかししなきゃ!」と張り切る。新婚旅行と一口に言っても、そのあり方も時代によって様々だ。恋愛結婚が主流となった現代はすでに何年も交際しているカップルが結婚を機に、普段よりリッチな旅でお互いの絆を再確認するという意味合いが強く、行き先もハワイやグアムなど海外が選ばれることが多い。
一方、なつ美たちがいる昭和初期はちょうど新婚旅行が一般に普及し始めた頃で、関東近郊の温泉地が人気だったという。お見合いや縁談で出会った夫婦の新婚旅行は、今とはまた全然意味合いが違ったのではないだろうか。なおかつ、なつ美と瀧昌はまだ一緒に出かけたことがない。つまり、2人にとっては新婚旅行というより初デートに近く、親密度をアップさせる絶好の機会。実際、この旅で2人の距離はグッと縮まる。

まず2人の気持ちを高揚させるのは、普段とは違うお互いの姿。なつ美は郁子がコーディネートしてくれたモガスタイルで瀧昌に会いに行く。「モガ」とは、モダンガールの略称で、まだ和装が主流だった時代に西洋文化の影響を受けた最先端スタイルを取り入れた若い女性のこと。大正レトロを感じさせるピンク色のワンピースとハットがなつ美の愛らしさを際立てる。
対する、任務帰りの瀧昌は軍服だ。夏季に着用する軍服は全身真っ白で、爽やかさとクールな印象を兼ね備えた瀧昌にぴったり。そんな新鮮な姿に「カ、カッコ…いい!」「な、なんだこのかわ! かわいい!」と惚れ惚れする2人だった。

一方で、海風に吹かれてなつ美のスカートがめくれそうで、目のやり場に困る瀧昌。それほどまでに女性に不慣れなのに、夜は家族のことを嬉しそうに語るなつ美の横顔を愛おしそうにじっと見つめ、「あなたに触れてもいいでしょうか?」と自ら申し出る。そのまま、2人は満月の光に照らされながら初めてのキス。こんなにも息を止めて見守るキスがかつてあっただろうか。
まだ出会って間もなく、ほとんど一緒に過ごしてはいないが、離れている時間が2人の愛を育てたのだろう。綺麗な景色を見たら相手にも見せたくなり、飽きるほど見た景色も2人なら輝いて見えるほど、いつしかお互いを思い合うようになっていた。どちらも不器用で口下手だから、夫婦なのに両片思いのような状態だけど、いつでもどこでも繋がれる時代を生きている私たちからすると、そうやって純粋に恋い焦がれ合える2人が少し羨ましく思える。もしも日本のドラマアワードに「ベストカップル賞」なんてものがあったら、ぶっちぎりでなつ美と瀧昌が1位になるに違いない。






















