『めおと日和』『わた婚』『ヒプマイ』にも登場 “堅物な軍人像”はなぜ王道キャラに?

生真面目で不器用、だけど一途。
4月24日から放送が始まったドラマ『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)は、そんな堅物な軍人・江端瀧昌と、ウブな花嫁・江端なつ美による交際0日婚を描く。ふたりのぎこちなくも愛おしい新婚生活に、「萌えが止まらない!」と熱い視線が注がれている。

本作は同名漫画を原作としているが、思えば堅物な軍人キャラクターたちは、漫画やアニメの中で少しずつ形づくられ、親しまれてきた存在でもある。本稿では、『波うららかに、めおと日和』をきっかけに、そんなキャラクターたちが歩んできた系譜と、その魅力の根っこをたどってみたい。
日本のアニメや漫画において「軍人=堅物」というキャラクター像は、もともと男性向けのロボットアニメやミリタリーSFを通じて形成されてきた。1970〜1980年代には、『機動戦士ガンダム』をはじめとするロボット作品群が次々に登場し、そこでは軍人たちが忠誠心と規律を重んじ、感情を抑えながら任務を遂行する姿が描かれている。
『機動戦士ガンダム』のブライト・ノアや、『装甲騎兵ボトムズ』のキリコ・キュービィーといったキャラクターに代表されるように、冷静で厳格な軍人像は、この時代のアニメや漫画に広く浸透していった。この流れは、後に『銀河英雄伝説』のパウル・フォン・オーベルシュタインなどのキャラクターにも受け継がれ、冷徹さや規律、感情の抑制を体現する軍人像は、ジャンルを超えてひとつのキャラクター類型として確立されていく。
さらに2000年代に入ると、こうした堅物軍人像は男性向け作品だけにとどまらず、女性向けフィクションにも大きく広がりを見せるようになる。『プランダラ』のジェイル=マードック、『曇天に笑う』の安倍蒼世、「ヒプノシスマイク」の毒島メイソン理鶯など、冷静さとある種の不器用さを備えた堅物キャラクターたちは、女性ファンからも強い支持を集めていった。





















