『わたしの幸せな結婚』清霞の二面性に魅了される理由 第2期の“甘々っぷり”がたまらない

『わたしの幸せな結婚』清霞に魅了される理由

 TVアニメ『わたしの幸せな結婚』を観ていると、ニマニマしてしまうのは私だけだろうか。特に1月から放送されている第2期(第14話〜)の視聴中は表情の崩壊が激しい。その原因は他でもない、主人公ふたりの甘々っぷりだ。

TVアニメ「わたしの幸せな結婚」第2期|ストーリーPV

 原作は、2019年より刊行されている顎木あくみ著、月岡月穂イラストによる人気小説。2023年3月にSnow Manの目黒蓮と今田美桜で実写映画化されたことが話題となり、同年7月から9月にアニメの第1期が放送された。

 舞台は、明治や大正期の日本を思わせるファンタジー世界。この国には古来から鬼、妖などと呼ばれ、人に害をなす“異形”の存在がある。ヒロインの美世は、異形に対抗する超常的な力を持つ異能者を輩出してきた斎森家の娘だが、自身は異能を持たず、家族から虐げられて育った。

 そんな美世が政略結婚で嫁ぐことになったのが、優秀な異能者を輩出する名家の若き当主にして、対異特殊部隊を率いる久堂清霞だ。この清霞のキャラクターがとにかく魅力的で、乙女心をくすぐられる。第一にビジュアルがいい。誰もが振り向くほどの美貌を持っており、着物も軍服もよく似合う。色素が薄いからか、どこか儚さもある。見た目や雰囲気だけで言えば、“初恋キラー”と呼ばれる『犬夜叉』の殺生丸に近く、こういうクールな長髪美形キャラは昔から女性人気が高い。

 しかし、その美しいビジュアルもさることながら、惹かれてやまないのは第一印象とはギャップのある性格。もともとは、何人もの婚約者候補たちが3日を待たずして逃げ出したという悪評の通り、初対面の美世にも「私が出て行けと言ったら、出て行け。死ねと言ったら、死ね」と言い放つ冷酷ぶりだった。

 だが、母親との確執や、婚約者候補たちのわがままな言動により女嫌いになっただけで、本来はとても愛情深い人。そのため、美世の純粋さに触れ、彼女がこれまで出会ってきた女性たちとは違うことが分かると変化を見せる。第1期では、穏やかな優しさで美世を包み込み、長年虐げられたことにより、すっかり失った自尊心を取り戻させてくれた。まさに、和風シンデレラストーリーだ。そんな清霞の美世に対する愛情はこのところ、ますます増しているように見える。

 今回の第2期で主に描かれているのは、国家転覆を企てる新興宗教「異能心教」の教祖・甘水直との戦いだ。甘水は、美世の亡き母・澄美の実家である薄刃家の分家。つまり美世の親戚であり、澄美の元婚約者候補だった。前作で、薄刃家に伝わる強大な異能「夢見の力」を受け継いでいることが判明し、清霞の危機に瀕してその力を開花させた美世。甘水は彼女を攫い、夢見の力を利用しようとしている。

 清霞はそんな美世を日中、自身の職場で過ごさせたり、そこも甘水に襲撃されると彼女を帝の子息・堯人の宮で匿うことにしたり、必死で守ろうとするのだ。自身の母が美世を愚弄した時も「次に美世に何か言ったら……殺す」とまで言った清霞。それくらい美世のことが大切で、過保護になってしまうところが堪らない。

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