『ガンニバル』供花村と後藤家の関係性が明らかに 中島歩演じる新キャラ“理”の不気味さも

さらに銀は、白銀について「後藤の子か神社の子か、カシハベの子か。供花村の欲望がこさえた子じゃ」と語っているが、カシハベとの遭遇のタイミングを考慮すれば金次か正宗、すなわち後藤の子か神社の子かの二択といえよう。幼くしてすでに狂い病を患っている白銀。狂い病を生き残った者は巨体となり、暴れる姿は神そのもの。“現人(あらひと)”という呼称から、“あの人”と呼ばれるようになったのだろうか。いずれにしても、“あの人”の息子である恵介(笠松将)は、後藤の本家の血か、はたまた代々供花村の有力者であり続ける来乃神神社の血のどちらかを確実に引いていることになる。前者であれば、以前のエピソードで「金次の孫じゃ」と語っていた金丸(赤堀雅秋)とも従兄弟と等しい関係になるのだが、その辺の複雑な事情は頭の片隅に置いておくことにしよう。
もっぱら現代の正宗(橋爪功)が振り返る過去の話の聞き役に回っていた今回の大悟(柳楽優弥)と恵介。しかし来乃神神社の宮司だけが知るというあの洞窟にましろ(志水心音)がいて、まだ生きているとわかると食い気味で立ち上がり、「さっぱり意味わかんねえよ」と正宗を一蹴。その一瞬だけで“らしさ”を全開にした大悟は外側から、そして恵介は内側から、共に“供花村の呪い”を断ち切るために最後の戦いへと臨むことになる。彼らが向かう先には“あの人”と、カシハベの血を引き、そして呪いを継ぐ後藤家の者たち。さらに恵介を後藤家の一人として捕えようとする警察の、三つ巴の構図だ。
もちろん後藤家側には“あの人”や岩男(吉原光夫)という強敵がいるわけだが、もう一人忘れてはならないのはシーズン2からの新キャラクターである理(中島歩)である。第1話で村に帰ってきた際に、自らを“後藤のために陰で生きているコケ”だと形容し、「裏切り者には容赦せん。たとえ本家の人間じゃったとしても」と凄んでいた理。村から一度逃げ出した久露恵(山本奈衣瑠)を連れ戻し、有希(吉岡里帆)たちを拉致するなど、すでにひとしきり暴れまくっているが、今回のラストでも有希を病院へ運ぼうとする洋介(杉田雷麟)の前に立ちはだかる。
しかも供花村の入り口となる橋の看板を落として足止めをし、どこかからクリーチャーさながらに橋の上に登ってくるのだから、その不気味さは段違いである。その際に洋介と車に同乗している久露恵も、前回すみれ(北香那)をスタンガンで失神させるなど、なんとかして村から逃げ出そうと画策している。供花村の歴史が紐解かれ、クライマックスへとドラマが向かうなかで、この2人の動きには注目しておく必要があるだろう。
■配信情報
『ガンニバル』シーズン2
ディズニープラス スターにて独占配信中
出演:柳楽優弥、笠松将、吉岡里帆、高杉真宙、北香那、杉田雷麟、山下リオ、田中俊介、志水心音、吉原光夫、中島歩、岩瀬亮、松浦祐也、永田崇人、ジン・デヨン、六角精児、恒松祐里、倉悠貴、福島リラ、谷中敦、テイ龍進、豊原功補、矢柴俊博、河井青葉、赤堀雅秋、二階堂智、大鷹明良、利重剛、中村梅雀、橋爪功、倍賞美津子
原作:『ガンニバル』二宮正明(日本文芸社刊)
監督:片山慎三、佐野隆英、大庭功睦
脚本:大江崇允、廣原暁
プロデューサー:山本晃久、半田健
アソシエイトプロデューサー:山本礼二
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