赤楚衛二は“目”に豊かな感情を映し出す 『相続探偵』灰江役で体現した多面的な魅力を総括

18年前、バスの運転手だった育ての父・和宏(鈴木浩介)を事故で亡くした灰江。マスコミの過熱報道や不審な判決で、和宏は“居眠り運転”の汚名を着せられた。そのせいで母・深雪(大塚寧々)が苦しむ姿も見てきたからこそ、灰江は「死人に口なし」という言葉が大嫌いだし、少しでも誰かが故人の意思を捻じ曲げようとするものなら、全力で阻止する。その時にぐっと力が入る赤楚の目が印象的だ。かたや、トラブルや事件を解決し、故人に語りかけるときの目は実に優しく、そのギャップに魅せられた人も多いのではないだろうか。

さらに赤楚の目は、灰江の周囲に対する愛情を伝えるのにも一役買っている。本作の大きな見どころとなっているのが、灰江、令子、朝永のコミカルなやりとりだ。まるで兄妹のように遠慮なく軽口を叩き合う3人の姿は微笑ましい。特には灰江はまだ令子のことを妹のように思っているのではないだろうか。普段は少年のようなところもある灰江だが、令子が母親との関係で悩んでいる時や、朝永と“共通の敵”を倒すにあたって彼女を巻き込まないように遠ざけようとする時は途端に大人な表情を見せ、その目に家族愛に似た感情が浮かぶ。そんなふうに赤楚は目に豊かな感情を映し出してきた。

最終回で灰江は実の父であり、最大の敵である地鶏(加藤雅也)と対峙する。地鶏は最高裁判事の権力を使って和宏に“居眠り運転“の責任を負わせるよう裁判官に圧力をかけ、ありもしない横領疑惑をでっち上げて灰江を弁護士会から追放した張本人だ。灰江はそんな地鶏の悪事を暴こうとするが、共に闘ってきた週刊誌記者の羽毛田(三浦貴大)は何者かに襲われて消息不明となり、令子は灰江の力になろうと強硬手段に出る。地鶏に追い詰められていく中で、その目にどんな色を映すのか。最後まで赤楚の演技から目が離せない。
『イブニング』で2021年から連載中の西荻弓絵と幾田羊による同名漫画を実写ドラマ化するヒューマンミステリー。『SPEC』シリーズなどを手がける原作者の西荻自ら脚本を担当する。
■放送情報
土ドラ9『相続探偵』
日本テレビ系にて、毎週土曜21:00〜放送
出演:赤楚衛二、桜田ひより、矢本悠馬、落合モトキ、石井正則、渋川清彦、三浦貴大、加藤雅也
原作:『相続探偵』原作・西荻弓絵/漫画・幾田羊(講談社『モーニング』所載)
脚本:西荻弓絵 演出:菅原伸太郎、長沼誠ほか
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:島ノ江衣未、石井満梨奈(AX-ON)、本多繁勝(AX-ON)
協力プロデューサー:次屋尚、吉川恵美子(AX-ON)
音楽:佐藤航、Gecko&Tokage Parade
制作協力:日テレアックスオン
©日本テレビ
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