『おむすび』は最終週でなぜ物語を“進めた”のか? 制作陣が意図した現実と地続きの未来

「血縁関係のない家族」。これは本作の大きなテーマとなっており、真鍋は「このドラマでは米田家を中心に“どう人と人とが結ばれていくか”を常に考えてきました。というのも、根本さんと話していると、どうも根底にそういう気持ちがあるんじゃないかと思うんです。セリフにはありませんが、根本さんは『血の繋がらない家族』という言葉を随所でおっしゃっていて。『家族って何なのか』を考えたときに、血縁ではない家族像。ダイレクトに人と人とが繋がっていく家族像をきっと描きたいんだろうなと。1年を通してそう感じていました」と、根本の思いを汲み取る。

「詩はもちろんですが、僕は永吉(松平健)と最後のプリを撮ったときの佑馬(一ノ瀬ワタル)に注目していて。歩と結婚したわけでもなければ、内縁の夫でもないけれど、当たり前のように家族のプリに収まっているんですよね。そんなふうに、“今日を共に生きていく人たち”のあり方をどう描くのかを考えてきましたし、血縁とか地縁とかそういうことではない、まったく違う存在を家族のごとく受け入れていく。そんな物語になったのではないかと思っています」(真鍋)
『おむすび』は3月28日で最終回。3月27日放送の第124話は、歩の「やっぱり一人で育てるとかさ、甘かったのかな」という言葉で幕を閉じたが、結の答えは一つしかないはず。血のつながりを超えた、米田家の未来が楽しみだ。
■放送情報
連続テレビ小説『おむすび』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:橋本環奈、佐野勇斗、仲里依紗、麻生久美子、北村有起哉
語り:リリー・フランキー
主題歌:B'z「イルミネーション」
脚本:根本ノンジ
制作統括:宇佐川隆史、真鍋斎
プロデューサー:管原浩
写真提供=NHK






















